第10回中同協役員研修会(中同協主催)が29日〜30日に札幌市で開かれ、全国から100名、釧根三支部からも4名の役員が参加し学びを深めました。
中同協の歴史と理念について講演した中同協顧問の田山謙堂氏は、東京に日本中小企業家同友会が設立されてから運動が全国に波及したことについて触れ、「現在全国の同友に脈々と流れる『労使見解』は、我々の偉大な先駆者たちが成文化までに実に18年を費やした汗と涙の結晶だ。我々はしっかりと受継ぎ、同友会運動をより活発にし、声を出し地域に訴え続けなければならない」と述べました。
また「同友会リーダーの使命、役割とは何か」と題して講演した鋤柄修中同協会長は、「同友会に入会し、すぐに経営指針の確立と社員と共に育つ社員教育の実践に着手した。労使間に問題のない企業はありえない。問題を発見し、解決に向けて邁進することが重要。我々はオーナーシップではなくリーダーシップを発揮しなければならない」と同友会リーダーのあるべき姿について強調しました。
最後に中同協相談役幹事の赤石義博氏は「現代日本の中小企業の経営課題と同友会運動」と題して講演しました。赤石氏は今我々が抱えている問題には原因が必ず存在し、それを的確に読み取ることが重要だとし、「中小企業と同友会運動に対して、イ.全国全ての地域と全ての階層の繁栄と安定を確かにする真の日本経済再生取り組みつつ、ロ.全ての生命の母体である地球環境をつくり、ハ.資源の節約に取り組み、かつ国内食糧自給率の向上、ニ.世界の全ての人々の暮らしの継続的安定の実現への対処が時代の要請であると受け止めなければならない」と強調し、同友会運動がめざす企業づくり、社会づくりについて言及しました。
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投稿:『役員研修会に参加して』 釧路支部企画委員長 森川 浩一
リラの花も香る、さわやかな札幌にて中同協役員研修会に参加して参りました。全国から集った役員が二日間にわたり、同友会運動の歴史、私たちの運動の中に流れる血、それから未来へ引き継いでいくものは何かというテーマで各テーブルで実践からの報告、お互いの批判からより優れた運動論への昇華という熱のこもった作業が行われました。
講師陣は同友会運動の歴史の潮流にいる田山謙堂氏、また田山氏に心服し同友会運動を継承してきた赤石委義博氏、その赤石氏を17年間、学究し続けた現中同協会長鋤柄修氏という三人の話を聞いての討論でした。田山氏は同友会の運動の歴史、鋤柄氏は今回の中同協のEU視察にふれながら自社の創業と同友会との出会い。そして労使見解。赤石会長は田山氏と出会い、労使見解が誕生するまで、地域循環経済とおおざっぱにくくるとこのような内容でした。
ここから私の感想ですが、今回の討論等通して感じたのは「同友会三つの目的」が会員の共通言語であることです。良い会社を作る、経営者になる、良い経営環境を作るということに立脚している同友会会員は初めて会う人であっても議論が早いし、それが同友会らしさであると痛切しました。そして労使見解です。旭川、札幌でも「労使見解」の勉強会が開催されています。今回の研修会では労使見解一辺倒といっても過言ではないと思います。時代は中小企業の時代となりつつあります。これは誤解を招く言い方です。正確にいうなら否応なしに中小企業家が立ち上がらなければならない時代に突入してきたということです。国規模の経済はまさに大量生産、大量廃棄、食料を効率の悪いエネルギーに変えるなどの常軌を逸しています。
国外に目を向けた競争の時代は終わりにしなければなりません。国内で地域の人々人間らしく安心して暮らせる社会は中小企業の発展なくして実現できません。そういう時代の無意識の要請のなか中小企業は今舞台の中央に立たされているのです。中小企業振興基本条例制定を契機に、地域経済振興に我々ができることを本音で真剣に議論し、声を出し、訴えてなかればならない事を痛切に感じました。
【田山謙堂中同協顧問】
【鋤柄修中同協会長】
【赤石義博中同協相談役幹事】