一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

南しれとこ支部、循環型農業の現状を学ぶ


 南しれとこ支部(端賢二支部長・131社)は3月例会を28日に開き、中標津町で酪農と畑作を営む武田農場の武田健治氏を囲んで農業情勢について学びました。
 武田氏は青森出身の46歳。実家は自動車会社ですが、「農業は大事だ。兄弟の中で誰か農民になりなさい」という父親の一言で北海道の酪農学園大学に進みます。卒業後に中標津町の酪農家の娘と結婚し、農業後継者として現在に至っています。武田農場は、乳牛80頭、草地50ha、放牧地20ha、ジャガイモ畑20haを営む中規模の農家です。「我社は輸入飼料にあまり依存しないで放牧を中心に営農している。乳飼比率も23%と他の農家に比べて低く、昨今の飼料価格高騰の影響を受けていない」と、輸入飼料に頼らない持続可能な農業経営の実践について語りました。
 さらに武田氏は牛の堆肥をジャガイモ畑の肥料に利用している循環農業に触れ、「ジャガイモは世界の70%の人が主食にしている栄養摂取効率が高い食物だ。ヨーロッパは芋を食べるようになってから人口が増加した。世界的に小麦の不足が予想されるので、ジャガイモの需要は高まるだろう」と述べました。「イモ畑20ha、乳牛54頭が管理の目が行き届く適正規模だ。無理な営農拡大は屎尿の問題を引き起こして環境に負荷をかける。大型化による農家個数の減少は人口減や消費の低下など地域経済にも影響を与える」と強調しました。

 

▼武田農場の武田氏

▼端支部長

▼司会の加藤氏

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