一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

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k-Bizくしろ起業サポート相談会 〜積極的に情報発信を〜


  釧路支部(亀岡孝支部長)は14日、今年度第一回目となるk-Biz相談会を開催しました。今回は8件の相談を受け、様々な角度から販路拡大や経営戦略について静岡県の富士市産業支援センター(f-Biz)センター長の小出宗昭氏がアドバイスを行いました。

▼熱心に意見交換をする小出氏

 報告会の中で小出氏は「自社商品の強みを知る為に、まずは同業者で成功事例がないかを調べることが大切。それと比較して自社の強みをアピールすることで差別化を図ることが販路拡大につながる」と述べました。
 また、相談の中で「新聞は無料で利用できる良い販促媒体であり、自ら積極的に情報発信をすることが大切」と述べ、新聞記事に取り上げられる3つのポイントを伝えました。
?ニュース性
「話題性があり、おもしろいネーミングの商品などを採用するケースが多い。新商品や市場に出ていない商品をアピールするうえで、インパクトのある文言やパッケージに変更するのも戦略のひとつ」
?社会性
「現代の社会問題解決の糸口となる活動や商品は、企業の理念や商品特徴もわかりやすく発信できる。例えば、エコロジー商品、節電商品などは、消費者、企業のメリットだけでなく、環境問題に取組む人の目にも入りやすく、思わぬ販路拡大につながるケースも出てくる」
?共感性
「頑張っている人を応援したくなるのが人情であり、理念を強く持って活動している企業の話題は取り上げられやすい。地方の中小企業の強みとして、各企業にスポットがあたりやすい為、他社との差別化を図るのに活用できる」

 以上の三点を挙げた小出氏は「商品の質が高いものが多く、実績があがっている企業もあるが、あとはどのように商品を売り込んでいくのかが重要。現在ではネットショップでの購入者が増加している為、実績をわかりやすくPRしたり、自社ホームページを活用するなど、販促媒体の活用次第で可能性は大いに広がる」と釧路からより多くの情報を発信することが販路拡大のポイントになると強く訴えました。

  相談会では加工食品や壁面タイル、新規起業などについて相談が持ち込まれました。地域起業サロン事業(k-Biz)は2011年度も隔月で相談会を開催します。開催予定は以下の通りです。
7月16日(土)、9月10日(土)、11月19日(土)、2012年1月28日(土)、3月24日(土)

岩手同友会支援のご報告【釧根事務所 栗谷秀実】


 釧根事務所の栗谷です。4月26日から5月2日まで岩手同友会でお手伝いをしてきました。岩手同友会気仙支部では津波で大変な被害のあった陸前高田市で「朝市」を復活させる取組みが計画されていました。私はその準備を手伝うために27日から2日までの6日間を陸前高田で過ごしました。

▼満開の桜の先に生々しい津波の爪痕が残る陸前高田市(4/27)

 現地は電気が復旧しているものの上下水道が寸断され、市内中心部があった沿岸の低地は、食料品店、飲食店、雑貨店など全ての商業施設が津波で跡形もなく消えています。気仙支部のメンバーは「またこの土地で商売がしたい。避難者に好みのものを選んで、買い物をする喜びを思い出してもらいたい」と朝市を計画し、岩手同友会気仙支部長の田村満氏が経営する高台の自動車学校の敷地内にテントを設営し、飲食店用の厨房を「同友ハウス」と名付けて新たに造ることを決めました。5月1日の朝市オープンまでおよそ10日間。「同友ハウス」は通常、数週間をかけて設営することを想定したものでしたが、現地会員の熱意とそれに突き動かされた他支部会員によって、わずか3日間で完成しました。

▼わずか3日間で完成した朝市の厨房「同友ハウス」(4/30)

 待ちに待った朝市オープンの5月1日午前10時。盛岡市内で仕入れた新鮮な肉、魚、野菜、生花が並ぶ様子に来場者から歓声が上がります。不自由な避難所生活の中でも子どもたちに元気をと、真っ白な鯉のぼりに思い思いに色を付けるイベントや、宝探しゲームなども行われ、笑顔の絶えない風景が広がります。朝市は今後半年間の予定で営業され、物資の配布や日替わりでの飲食店営業が行われる予定です。陸前高田の復興へ向けた経済活動はこれから益々拡大していくことでしょう。

▼皆が力を合わせてオープンに漕ぎつけたけせん朝市(5/1)

 準備作業を続ける中で、現地の会員から様々な話を聞くことが出来ました。「俺たちは会社を残す事も大事だけれど、そのために朝市を立ち上げたんじゃない。雇用している従業員の生活、命を守るために朝市をやるんだ」「一昨年、同友会の経営指針研究会に参加したからこの震災でも乗り切る目途を付けることが出来た。あのときが無かったら、震災が無くても会社を潰していたかもしれない・・・」「今回の震災で命を落とした同友会の仲間のためにも朝市を成功させたいんだ」。様々な思いを胸に全員が前向きに陸前高田での生活を再建するために活動しています。

▼生鮮品を求める来場者で賑わう朝市(5/1)

 今回の震災で失われたものはあまりに多く、また元通りにはならないものもたくさんあります。しかし、一歩ずつ着実に復興の道を歩みだした陸前高田の同友会メンバーはいつの日か活気ある地域を作り上げるでしょう。陸前高田を離れる直前、現地の会員の方から一枚のポスターを頂きました。そこには「がんばっぺし(がんばろう)!陸前高田」の文字が。陸前高田にしっかりと根を張り、生きていく決意が「がんばっぺし!」の言葉に込められています。

▼出店した蕎麦屋さんには黒山の人だかりが。久しぶりの「外食」(5/1)

▼「がんばっぺし(がんばろう)」と大書されたポスターをお土産に頂きました。

2011くしろ合同会社説明会に110名が参加


 釧路支部(亀岡孝支部長)は商工会議所と共催で「2011くしろ合同会社説明会」を開催し、同友会会員企業を含む14社が参加しました。道内外の学生110名が採用担当者の話に耳を傾け、採用の具体的な話を進める場面も見られました。
 採用担当者は「参加人数が多く、有意義な説明会になった」、「札幌の説明会に参加し、今回の説明会にも参加した熱心な学生もいた」、「釧路に残りたいという思いを感じた。その思いに何とか応えたい」との声が聞かれました。
 参加した学生からは「企業に対する思いを伝えられた」、「年に一度ではなく、もう少し回数を増やしてほしい」、「話を聞いて、より釧路で働きたいという思いが強くなった」との感想が寄せられました。

★当日の様子が釧路新聞に掲載されました。こちらからご覧下さい。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=985

▼オリエンテーションに参加する学生

▼熱心に学生に語りかける採用担当者

中村氏が会長に再任 2011年度厚岸地区会総会


 厚岸地区会は9日に2011年度地区総会を開催しました。総会に先立ち挨拶した中村一明会長は「厚岸町では2011年4月に中小企業振興基本条例が施行され、今年度は条例を育てていく年度だ。東日本大震災の影響を受けた企業もあるが、同友会が中心となって厚岸町を活性化をさせたい」と述べました。
総会では、2010年度の活動・収支報告と、2011年度の活動方針と役員体制を決め、会長に中村一明氏が再任されました。

 記念講演では、「総合医とはなにか」と題して町立厚岸病院院長の佐々木暢彦氏が報告しました。佐々木氏は「日本は全国的に質の高い医療提供ができる為、99%は特殊な専門科がない町立病院等でも治療ができるが、専門医のいる大きな病院にかかりたいという患者も多い。しかし、内科だけでも4種ほどに細分化され、科目が複雑になり適切な通院ができない患者もいる」と現代医療の現場を語り、「総合医は、専門的な治療が必要な場合に的確な病院、科目選択を促す役割を担っており、総合医の役割が地域医療を支えていく。医療現場の人材不足も深刻だが、大中小の病院間の協力体制によって解決できる問題もある。専門医と総合医、双方の良さを理解したうえで患者が病院を選べる環境が必要」と述べました。                                           

総会、講演会の後に行われた懇親会では、町立厚岸病院の医師も参加し、交流を深めました。

★2011年度厚岸地区会総会議案書と新役員名簿はこちらからご覧ください。                                                http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=2&lid=292

 

▼会長に再任された中村氏

▼総合医について語った佐々木氏
 

▼懇親会の様子

ツイッターとフェイスブックの可能性 釧路支部 勉強会


  釧路支部(亀岡孝支部長)は27日に「Twitter(ツィッター)とFacebook(フェイスブック)勉強会」を開催し、丸中釧路中央青果の斉藤和芳氏とサービングの田村和也氏が「ツィッターとフェイスブックを活用して明日の商圏を切り開く」と題して講演しました。
 
 斉藤氏は「ツィッターは今を知る最高の方法。ニュースよりも速報性が高く、リアルタイムで生の会話のように情報が得られるのが魅力的。様々なSNS(ソーシャルネットワークサービス)がある現在では、情報量が2000年比の1000倍になるとも言われ、情報の真偽を判断する力と多少の中傷を気にしなければ、最新情報が得られるビジネスツールとして活用できる」と述べました。
   
  田村氏は「フェイスブックは他のSNSと違い、実名で利用できる大人のコミュニケーションツール。現実社会とリンクさせて、ネットショップの入り口としてうまく活用している企業がある」と述べ、実際にフェイスブックを活用している企業の事例をあげながら「費用のかからない広告として情報発信ができ、中小企業が活用するメリットは大きい」とツィッターとフェイスブックの可能性を語りました。

▼自身のツイッター活用法を語る斉藤氏

▼フェイスブックの活用例を語る田村氏   

▼勉強会の様子

斉藤氏が再任 2011年度マルチメディア研究会総会


 釧路支部マルチメディア研究会は23日に同友会事務所で総会を開き、2010度の活動報告と決算報告、2011年度の活動方針と役員体制を決めました。会長に斉藤和芳氏、幹事長には佐々木圭一氏が再任されました。 
 再任されたマルチメディア研究会会長の斉藤氏が「ソーシャルメディア時代の著作権」と題して講演しました。斉藤氏は「ツイッターやフェイスブック、YouTubeなどのソーシャルメディアは誰もが参加でき、双方向の繋がりを持つことができる。ただし、情報提供者と利用者の境目がはっきりしないため、著作物に対し曖昧な部分が多い」と説明しました。
 最後に
「今後はインターネット社会に即した法整備が必要だ。利用者が知らなかったという言い訳は通用しない。著作物を使用する際には、自分の思い込みや噂は当てはまらないことが多い。正しい利用方法を心がけてほしい」と語りました。

★2011年度マルチメディア研究会総会議案書はこちらからどうぞ。
http://portal.doyu-kai.net/uploads/files/multimedia.pdf

▼インターネット上の著作権について語る斉藤氏

▼総会の様子

支部長に亀岡氏、幹事長に曽我部氏が就任 釧路支部総会


 釧路支部(439社)は20日、釧路プリンスホテルで第37回定時総会を開き、2010年度の活動報告と決算、2011年度の活動方針と役員体制を決めました。支部長には綜合設備社長の亀岡孝氏、幹事長には北泉開発常務の曽我部元親氏が選出されました。

 挨拶に立った亀岡支部長は「全国的に見ても釧路管内は中小企業振興基本条例の先進地だ。2009年の釧路市に続き、厚岸町と弟子屈町でも条例が制定された。今後も条例の未制定自治体にも制定を働き掛けていき、挑戦する中小企業を応援する環境を築きたい。支部創立40周年を控えて、共に学び合う姿勢をますます強めていきたい」と述べました。

 また第二部の報告会では、「地域経済力研究事業の中間報告」と題して釧路公立大学准教授の下山朗氏が「釧根の企業は生産性と収益性との整合性が取れていない。また人口減少も著しく、主要産業の変化と共に中心の移動も激しく、この原因の解明が今後の課題だ。地域内でお金が回れば雇用の創出にもつながる。今後はいかに地域でお金を回していくかというテーマに取り組みたい。釧根地域の企業にはどのような底力があるか探ることが重要だ」と報告しました。

 「中小企業家は東日本大震災をどうとらえるべきか」と題して報告した北海道同友会代表理事の本郷利武氏は「これから大規模な復興事業も徐々に始まってくる。同友会を通じて会員間取引を積極的に行ってほしい。また釧路支部の会員にも少なからず被害があったが、各企業でしっかりと防災計画を立ててほしい」と強調しました。

★2011年度 釧路支部総会議案書並びに2010年度決算と2011年度予算はこちらからダウンロードできます。
http://portal.doyu-kai.net/uploads/files/2011kushirosoukai.pdf

★2011年度の幹事名簿はこちらからダウンロードできます。
http://portal.doyu-kai.net/uploads/files/kanjimeibo.pdf

★ユタカ商会ホームページはこちら
http://www.yutaka-kenso.jp

★報道各紙に掲載された釧路支部総会の記事はこちらからご覧ください。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=970

▼開会の挨拶をする亀岡支部長

▼報告会で講演する下山氏

▼本郷代表理事

▼新しく幹事長に選ばれた曽我部氏

▼懇親会の様子

▼ノイズ倶楽部の演奏

地区総会で永町長が講演 摩周地区総会


 摩周地区会(竹森英彦会長)は8日、2011年度の地区総会を開催しました。冒頭、挨拶した竹森会長は4月1日に施行された弟子屈町中小企業基本条例に触れ、「この条例は『育てていく条例』だ。条例を活用してどのような具体的施策を展開していくかが重要になる。2011年度は役場、商工会の皆さんの協力を得て、中身のある、しっかりした議論を行っていきたい」と述べました。
 総会では2010年度の活動報告と決算、2011年度の活動方針共に承認され、2名の役員改選も承認されました。

 総会後に行われた記念講演では弟子屈町の永哲雄町長を迎えて「条例をふまえた我が町の展望」と題した講演が行われました。永氏は「町内の農家の約3割に後継者がいない状況だ。農業と商業の連携を強化して総合的な町経済の維持発展を行っていきたい。2011年度は中小企業振興資金を800万円増額した。観光関連予算とも合わせて町経済の振興のための施策展開を実施したい」と意欲を語りました。

 懇親会で挨拶した釧路支部政策委員長の福井氏は「釧路市でも条例の施行後、円卓会議ネットワークを活用して様々な議論が行われ、実際に機能している施策もある。弟子屈町においても活発な議論が行われ、地域経済を活性化する取組みが行われることを期待している」と、参加者を励ましました。

★2011年度摩周地区会総会議案書ならびに役員体制はこちらからダウンロードできます。
http://portal.doyu-kai.net/uploads/files/masyusoukai11.4.8.pdf

▼2期目を迎えた竹森英彦会長

▼25名が出席した地区総会

▼講演する永町長

▼弟子屈町の条例活用に期待を寄せた福井政策委員長

「良好な人間関係を築くためには」 釧路支部若手社員マナー講座


 釧路支部(亀岡孝支部長)は7日にマナー講座を開催し、会員企業の若手社員を中心に25名が受講しました。講師はコムの小川睦子氏が務め「電話一本でわかる会社の真実」と題しての講演と名刺交換や電話応対など実技指導を行いました。
 
 小川氏は「どのような仕事でも必ず人と関わりを持たなくてはいけない。全ての職種がサービス業だという認識を持つことが大切だ。良好な人間関係を築くには第一印象が非常に重要で、その良し悪しで自分だけでなく、会社まで評価されてしまう。第一印象が悪いと、覆すのは非常に難しい」と述べました。好印象を持たれるためには 「第一印象は態度55%、声38%、話の内容7%の割合で決まる。態度には表情も含まれ、笑顔は自分の大きな武器となるので、訓練して磨いてほしい。また、職場で手本となる人を見つけ、表情や対応を真似るのも一つの方法だ」と語りました。また、顧客に対してだけでなく、職場の人に対しても良い印象を良くすることも大切とし、「職場での良好な人間関係が的確な『報告・連絡・相談』を生み出す」と説明しました。
  
 最後に、電話応対の実技指導し「お互いの表情がわからないからこそ、電話一本でこれまで築いた信頼関係を崩してしまうこともある。マナーだけでなく心構えもしっかり学んで、なぜマナー向上が必要かを理解してほしい」と参加者に期待を込めて語りました。

▼第一印象の重要性を語る小川氏

▼名刺交換や電話応対のロールプレイングを行う参加者

身近過ぎて気付かない地域経済の姿を数字から読み解く 摩周地区会4月例会


 摩周地区会(竹森英彦会長)は5日、釧路公立大学の下山朗准教授を迎えて4月例会「弟子屈町の地域経済、その姿」を開催しました。当日は同友会会員ばかりでなく、行政、金融機関、商工会からも参加し、4月1日に施行された弟子屈町中小企業基本条例を大いに活用するため、地域経済の実像を学びました。

 講演の中で下山氏は「国勢調査の結果から推測したところ、弟子屈町は2035年には人口が6,000人を下回るという結果が得られた。これは、道内平均に比べて一次産業は高い生産規模を持っているにもかかわらず、製造業が著しく低い水準にあることが原因だと考えられる。一次産業で生産されたものを加工せずに原料のまま出荷しているため、製造業が伸びないのではないか。製造業が持つ『弱み』を解消して雇用を増やせば人口の減少に歯止めをかけることが出来る。人の定着が地域の中でカネを回す『域内循環』につながり、地域経済の持続に繋がるのではないか」と弟子屈町の弱みを解説しました。また下山氏は強みについても触れ、「近隣の釧路市などに比べ、飲食・宿泊業が安定して増加している。三次産業への新規創業を支援していくことが持続的な地域経済を形成する上で必要ではないか」と述べました。

 講演の最後に下山氏は「中小企業者だけでなく、行政、金融機関まで集まっての講演会は珍しい。これを機会に、金融機関には地元中小企業への支援の在り方を再考してほしい。また、行政には税収と人口維持を切り口とした、中小企業の重要性を再認識してほしい」と延べ、条例制定後の施策検討の充実に期待を寄せました。

▼「三次産業の盛り上がりが一次、二次産業へ波及していく」と説いた下山氏

▼「数字」で表される地域経済の姿に聞き入る参加者

小さな成功例を積み重ねて大きなうねりを作りだす 〜k-Biz相談会・事例報告会〜


 釧路支部(亀岡孝支部長)は26日、今年度最後となるk-Biz相談会を開催しました。今回は7件の相談を受け、様々な角度から販路拡大や、新たな連携先について静岡県の富士市産業支援センター(f-Biz)センター長の小出宗昭氏がアドバイスを行いました。また、この日は「k-Biz事例報告会」も開催し、小出氏が今年度、釧路で受け付けた相談から感じている可能性について報告しました。

 報告会の中で小出氏は起業支援する上で常に意識しなければならないポイントを3つ挙げました。
?どんな企業にも「強み」は存在する。
「どんな企業にもセールスポイントが存在することを忘れないことだ。様々な角度から考察して企業としての強みを見つけ、伸ばす事が大切。経営者も自社について真摯に考え、強みを見つけることで新たな道が開けるものだ」
?ターゲットを絞る
「その商品、サービスがどんな顧客層に受けるのか、またどんな人に買ってほしいのかを研究、明確にすることが必要だ。より強いインパクトを対象者に与えることでしっかりと顧客を囲い込むことが重要だ」
?連携する
「中小企業同士のビジネス的、戦略的な繋がりを強化していくべきだ。互いの『強み』をより強固にするために切磋琢磨することが大切だ。大きなイノベーションには労力も必要で、具現化するには時間もかかる。中小企業間の小さなイノベーションをいくつも積み上げて大きなうねりを作りだすことが地域活性に即効性をもたらす」
 以上の三点を挙げた小出氏は「釧路で受ける相談は非常に質の高いものが多い。必ず成果が出ると確信している。釧路にも強みを持った企業はたくさんあり、無限の可能性を秘めている。そして何よりもそれを支援するための『k-Biz』がある。全国的にみてもこうした拠点がある地域はまだまだ少ない。ぜひk-Bizを活用して新規分野への参入、他地域への進出を行ってほしい」と参加者に強く訴えかけました。

 午前、午後に分かれて行われた相談会では加工食品や道産材を活用したスピーカーなどについて相談が持ち込まれました。地域起業サロン事業(k-Biz)は2011年度も隔月で相談会を開催します。開催予定は以下の通り(都合により日程が変更になる場合があります)。
5月14日(土)、7月16日(土)、9月10日(土)、11月19日(土)、2012年1月28日(土)、3月24日(土)

▼「小さなイノベーションを具現化するために是非、k-Bizに来てほしい」小出氏

▼相談会は食品から、洗浄剤まで多岐にわたりました。

「疲弊した地域を救うのは中小企業」 釧路支部幹部大学最終講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は4日に幹部大学の8講を開き、釧路支部企画委員長の森川浩一氏が「中小企業の出番がやってきた」と題して、中小企業が地域に果たす役割や釧根地域の課題について報告しました。
 森川氏は「全国の事業者数の99%、全国の労働人口の80%などであることから国や地方の経済基盤を担っているのは中小企業と言える。にも関わらず、中小企業に対する蔑視感があるのが現状だ」と中止企業について述べました。
 課題について「貧困、教育、収入の三点がそれぞれ悪い方向に作用し、負の循環に陥っている。また、次世代の教育も大きな課題だ。親の収入の高低によって、子供の学歴がある程度決まってしまう傾向にある」と指摘しました。
 「今後は釧根地域の域内循環率を高め、新たな価値の発見や起業支援をしなくてはいけない。そしてこの閉塞した時期を抜け出すためには、中小企業振興基本条例に基づいた振興策が必要だ。厳しい状況が続くが不平、不満ばかり言っても何も始まらない。これから同友会のメンバーとして、共に頑張りましょう」と締めくくりました。
 最後に、受講者は8講に及んだ幹部大学を振り返って「異業種間で討論できたことが良かった」、「釧路に住んでいながら、釧路の歴史や現状を知らなかった」、「今後の会社と自分自身の方向性を考えるきっかけになった」と感想を述べました。

▼中小企業の重要性を語る森川氏

ぶれない目標の設定で業界のけん引役を目指す 釧路支部オンリーワン企業見学会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は3日、釧路支部会員の中で特色ある技術や商品を武器に経営する企業を見学する「オンリーワン企業見学会」を開催しました。今回は釧路町で自動車のリサイクル業を営む高橋商会を見学し、リサイクルの工程や高橋社長の経営に対する思いを学びました。

 見学会の始め、高橋社長は「自動車業界は近年、新車販売、中古車販売、リサイクルともリーマンショックやエコカー減税などで激動を経験した。今日の高橋商会はそうした激変の中でも目標をしっかりと定めて、ブレずにやってきたことが実を結んで成り立っている。私はリサイクル業界の中で社会への貢献度が見える『モデル』企業を作りたい。そのためにISO14001の認証などにも取り組んできた。取組みの話題性から施設見学者も年々増えて、現在では年間で100件以上の申し込みがある。見学では解説する従業員が違っても同じ内容を見学できるような体制をとっている。リサイクル業にといっても見るのと聞くのではずいぶん違うと思うので、今日はじっくりと見ていってほしい」と述べました。

 参加者は5300坪ある敷地内を見学し、海外へ輸出される自動車部品や、重機を使っての車輛解体の様子、エアバッグの展開処理などを見学しました。廃タイヤの処理工程では縁の部分に含まれる金属のワイヤーを除去し、一本ずつ破砕機に投入して5センチほどの大きさになる様子を見学しました。処理された廃タイヤは製紙工場などのボイラー燃料として利用されているそうです。除去された金属ワイヤーも再利用されます。
 
高橋社長は「自動車部品でリサイクル出来ない部分はほとんどない。そのまま使える部品から、破砕して別の素材として生まれ変わる部品まで様々だ。循環型の環境社会を築く上で自動車のリサイクルは重要な意味がある。今後はハイブリッド車が増え、大容量のバッテリーの処理が課題になると思うがしっかりと研究して、環境負荷の少ない処理を行いたい」と今後の展望を語りました。

▼「利益に拘り過ぎず、雇用の確保にも力を入れている」高橋社長

▼月に500台が新たに入庫し、処理を待つ

▼全国各地から届く中古部品の注文に対応する2万点の在庫品

▼電気的にエアバッグを展開させて処理する

▼2月から業務を開始した低価格カーリース「REBORN MAGIC CIRCUS」店舗

★高橋商会ホームページ
http://www.ts-takahashi.co.jp/

金融機関から見る釧路の現状 幹部大学7講


 

 同友会釧路支部は幹部大学第7講を2月25日に開き、釧路信用金庫常勤理事経営企画部の森村好幸部長が「金融機関から見る釧路の現状と課題」と題して講演しました。

 森村氏は「釧路の経済はかつての基幹産業や公共事業への依存体質から脱却が進まず、域外からお金を獲得する産業を生み出せていない」と地域経済の特徴を指摘しました。さらに融資に際して金融機関を納得させる社長の条件として、経営理念を持っていること、自社の強みと弱みを知っていること、計数に明るいこと、人の話を良く聴く、約束は必ず守る、などを挙げました。

 最後に中小企業経営者と幹部へのメッセージとして次の10点を語りました。

1.モノの価格は原価計算が決めるのではなく市場が決める
2.売る商品ではなく売れる商品をつくる
3.企業にとっては1%の不良品でも顧客にしてみれば100%の不良品
4.企業の真実は電話一本でよくわかる
5.教育は叱って叩き込むのではなく気付かせること
6.人材はアメやムチでではなく正しい経営から育つ
7.企業は社会的公器
8.社員の不満を除去する経営を心がける
9.経営者が重視すべきは業績ではなく継続
10.経営学は終わりから始める学問

▼釧路信金森村氏

 

 

国吉氏が同友会の歴史を語る 釧路支部2月例会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は23日に2月例会を開催しました。同友会全国協議会専務幹事の国吉氏が「困難な時こそ同友会運動の原点へ」と題して講演しました。国吉氏は1972年に北海道中小企業家同友会に入局し、1975年の釧路支部設立に携わりました。
 「1969年に北海道同友会が創立され、函館支部を皮切りに積極的に支部を設立した。1970年代に三つの目的の制定、労使見解の発表、経営指針を確立する運動の提唱と同友会運動の基礎が完成した」と北海道同友会の歴史を説明しました。
 続いて学ぶことと学びあうことの違いを述べ「他人の経験や知恵を自分にどう取り入れるかが大切。その方法にはグループ討論が最適だ。他人から取り入れたものを実践しなければ企業も自分も変わらない。会社内でも取り入れ、学びあうことが社員の共育にもつながる」と語りました。
 最後に「中小企業を経済の中心にと謳う憲章が6月18日に閣議決定されたが、その様子を記事として掲載したのはわずか2社。地方新聞には一切掲載されなかった。世間一般に浸透されていない。今後この憲章をいかに世間に広め、浸透させられるかが重要だ」と締めくくりました。(記:吉本勝)

▼同友会の歴史を語る国吉氏


 

新会員ガイダンスを開催 釧路支部


 釧路支部(亀岡孝支部長)は17日にキャッスルホテルで新会員ガイダンスを開催し、2009年12月以降に入会した新会員と支部役員が参加しました。ガイダンスでは浅野副幹事長と須藤共育求人委員長が「同友会を活かした私の経営」と題して報告しました。
 浅野氏は「入会した当初は、ほとんど参加していなかったが、あゆみの会に入会したことがきっかけで本音で語り合える仲間ができた。また、仕事と家庭の両立などについて様々なアドバイスを受け、同友会に参加するようになった。同友会では色々な委員会、部会、同好会があるので、ぜひ参加するきっかけを作ってもらいたい」と述べました。
 続いて須藤氏は「会社の規模は違っても、経営者が抱える悩みは共通していることが多い。悩みを共有したり、語り合える仲間が同友会に入会してできた。最近では、会員間同士の取引を推進している。小さなことでも気軽に頼むことができ、会員同士なので安心して依頼できる。会員間の取引を増やすことが、釧路の活性化に繋がる」と語りました。
 その後、新会員からの一言PRや役員が部会や同好会の紹介をし、交流を深めました。(記:吉本勝)

▼同友会に参加するきっかけを作ってほしいと語る浅野氏

▼会員間取引を推進する須藤氏

▼司会を務めた岸本交流委員長

▼一言PRをする新会員


「我が社の生き残り戦略」 釧路支部幹部大学第六講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は18日に幹部大学の第六講を開催しました。今回はタカオ工業の岩口氏と美警の三上氏が「中小企業の生き残り戦略」と題して、報告しました。
 警備業を営む三上氏は「全国で警備業者は約9000社あり、警備員は50万人を越えている。年々警備員の数は増加し、社会に求められる存在になっている」と業界の現状を説明しました。生き残り戦略について「まずは自社の強みを伸ばすことだ。ヒト・モノ・カネなどの経営資源が限られている中、ヒトとカネのバランスを取りながら取り組んでいる」と述べました。特にヒトについて「公共工事が減った時期を活用し、社員育成に力を入れようと決意した。その結果、検定資格の取得を目指し、業務終了後に勉強会を開催したり、現場をより良いものにしようと安全推進委員会を立ち上げたりなど社員が自ら会社を良くしようと取り組んでいる。その環境作りをするのが私の役目だ」と語りました。
 
 続いて報告した岩口氏は「建設業は受注産業であり、商品は事業資本または快適追求のツールとなり、全てオーダーメイドだ」と業界の特徴を説明しました。「信頼感の構築、経営指針の共有、顧客ニーズの発掘、人材を育むシステムとホウレンソウの輪などが我が社の生き残り戦略だ。具体策として、維持や修繕などの長寿命化工事へのシフトや同業他社との連携を図り、お互いの強みを活かして共同受注したりなど取り組んでいる」と述べました。
 最後に「経営戦略上の理念、方向性、独自性、有効性などは効果が確認できるまで、時間がかかることが多い。そのため業務を計画的に確実に進めるための手法が重要で、改善に取り組む強い決意と覚悟が必要だ」と強調しました。

 その後、受講者グループに分かれ「会社が生き残るために、自分自身が取り組むべき課題」について、討論しました。「中小企業ならではの取り組みが必要」、「情報の迅速な提供」、「既存の顧客に対してのフォロー」などの意見が出され、異業種間での意見交換を活発に行いました。(記:吉本勝)

※第七講2月25日(金)18時から、まなぼっと602教室で「金融機関から見る釧路の現状と課題」と題して、釧路信用金庫の森村部長が報告します。

▼社員育成について語る三上氏

▼経営戦略には強い決意と覚悟が必要と語る岩口氏

町内各団体の青年部員を前に佐野前町長が講演 別海地区会2月例会


 別海地区会(寺井範男会長)は15日、「別海町の次世代を担う青年交流会」と題して、商工会、農協、漁協、役場、青年団体を交えた青年部交流会を行い、総勢75名が参加しました。
 冒頭、寺井会長は「我々別海地区会は会員の平均年齢も会の歴史も若い。今日は各団体の青年部の皆さんと大いに語らい、別海町の未来を明るいものにしていきたい」と挨拶しました。

 記念講演は前別海町長の佐野力三氏が「別海町の歩み」と題して、役場勤務と町長職を併せて50年以上に及ぶ別海町との関わりの中で経験した出来事を振り返りました。佐野氏は「こんなにも大勢の皆さんが集まって驚いている。私は国後島のトウフツで生れ、別海町役場に奉職した。40年ほど勤務する間、殆どを基幹産業の酪農、漁業に関わる部署に籍を置いていたので、基幹産業を大切にしたいという気持ちが強い。昨今はTPPなどの諸問題が出てきて一次産業の皆さんは将来的な不安が増していることと思う。進化論の一節『強いもの、知恵のあるものだけが生き残るのではない。環境に適応できるものが生き残る』という言葉にもあるように、商工業者、農業者、漁業者の若い皆さんが真剣に議論し、柔軟に対応していくことで地域を守り育てていってほしい」と一堂に会した各団体の参加者に期待を寄せました。

 講演の後の交流会では各団体の会員が懇談し、互いの業種への理解を深めました。また、各団体の活動の紹介や、クイズなども行われ交流を深めました。閉会の挨拶に立った篠田副会長は「佐野氏の講演を聞き、各自『古きを訪ね、新しきを知る』事が出来たと思う。これからの一次産業経営は独自の取り組みを行っていく必要性があるのではないか。これからも同友会は他団体との交流を深めて、地域を持続発展させるための勉強を行っていきたい」と述べました。

▼「我々別海町民が一丸となって地域を守り立てるために頑張りたい」と寺井会長

▼「各団体の皆さんには町政にも協力いただき、大変心強い」と水沼町長

▼「別海町は広大な面積と資源の有限性を併せて考えなければならない」と佐野氏

▼別海町では初めてという各団体青年部が集まった交流会

▼別海町に関するゲームで盛り上がる会場

▼「今後も継続して交流会を持ちたい」と篠田副会長

米町から始まった釧路の歴史 釧路支部幹部大学第五講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は10日に幹部大学の第五講を開催し、釧路公立大学の高嶋教授が釧路の歴史について講演しました。
 冒頭で江戸時代の釧路について「会所と呼ばれる商人の事務所が現在の米町にあり、商人は労働力としてアイヌを会所の米町近辺に住まわせた。米町から釧路の歴史は始まった」と語りました。
 明治時代まで釧路は隣町の厚岸と人口などほとんどの面で差はありませんでした。高嶋氏は釧路が発展した要因について鳥取士族が入植、標茶に集治監の開設、安田善次郎による硫黄山の開発の三点を挙げ、「全国の重罪人を収容する集治監の開設によって、原野だった標茶に5500人の街が誕生した。その囚人に硫黄山の採掘をさせ、硫黄運搬のための鉄道を敷設した。結果的に標茶に物資を供給する商人が釧路に住み着いた」と解説しました。
 明治40年には釧路と旭川間の鉄道が完成しました。現在のプリンスホテル近辺に釧路駅ができ、人々は駅周辺に移り住むようになりました。「大正9年に鳥取村に富士製紙が創業した。その事業税によって村民の税金が大幅に軽減され、町民は釧路から鳥取村に住むようになった。鳥取村は、農村地帯から住宅街へと変貌を遂げ、やがて釧路市と合併した。米町から始まった釧路の歴史が西へと移行した」と述べました。(記:吉本勝)

※第六講は2月18日(金)18時から、まなぼっと602教室で「中小企業の生き残り戦略」と題して、タカオ工業の岩口常務と美警の三上社長が報告します。

▼釧路の歴史を語る高嶋氏

会議の成果は一人ひとりの心掛けで決まる 摩周地区会公開例会


 摩周地区会(竹森英彦会長)は5日、2月例会を開催しました。今回は帯広支部会員の石田コンサルタントオフィスの石田邦雄氏を講師に招いて「『結果を出す』会議の秘訣」をテーマに効率的で収穫の多い会議運営について学びました。公開形式で行われた今回の例会には、町役場、教育機関、農業協同組合など幅広い分野から参加者があり、グループワークを交えて活発に学び合われました。

 会議を進める上での留意点について触れた石田氏は「挨拶、アイコンタクト、相槌がコミュニケーションの基礎だ。互いの緊張感を解かなければ、会議はうまく進行しない」と述べ、集団としての一体感の大切さを強調し、他者との距離を縮めるためのコミュニケーションを常に心がけることを参加者に求めました。続いて行われたグループワークでは集団としての一体感と個人の納得感を意識した発言や進行について、実際の会議形式をなぞって学び、参加者からは「いつもは結果重視で会議を進めることが多いが、議決までの過程を重視して議論することで、意見の集約を円滑に進められることが理解できた」などの感想が挙がりました。

 研修の最後に石田氏は「会議に絶対的な正解は存在しない。今日の研修内容を踏まえて、より充実した会議で地域をより良い方向に向けてほしい」と期待を寄せました。【記:栗谷秀実】

▼「効率のよい会議には事前準備が必要」と語った石田氏

▼グループワークを通して会議の「質」向上を学んだ受講者