一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

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「普遍的な自分」 釧路支部幹部大学第四講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は4日に幹部大学の第四講を開催し、釧路公立大学の高野教授が「自分を見つめる」と題して講演しました。
 冒頭にサンデルの『これからの正義について話そう』を取り上げ、「社会の中に自由や正義が存在し、社会から離れたプライベートについては正義が当てはまらない。社会のみが人間活動の全てではない」とし、個の重要性について述べました。
 また、ドイツの哲学者ハイデガーの言説に触れ「我々は会社員や父親、母親など様々な役割を果たして生きている。役割は交代することができ、交代できないものこそが本来の自分だ。しかし、動けば動くほど役割が多くなり、本来の自分が見えなくなり不安に陥る」と述べました。
 最後にプラトンの『メノン』の一部を解説し「ソクラテスの質問が、メノンの心の内に持っている考えを引き出している。自分でも思いつかないような魂の奥に隠れている考えこそが、本当の自分の考えだ」と述べました。さらに「これまで自分とは何かと徹底的に考えてきたが、年齢を重ねるとともに自分がより普遍的な考えをするようになった。普遍的になることで、人間になっていく」と自身の見解を示しました。(記:吉本勝)

※第五講は2月10日(木)18時から、まなぼっと705教室で「釧路の歴史〜クスリから釧路へ〜」と題して、釧路公立大学の高嶋教授が講演します。

▼釧路公立大学の高野氏

『挽歌』から学ぶもの 釧路支部幹部大学第三講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は28日に幹部大学の第三講を開催し、釧路工業高等専門学校の小田島教授が釧路出身の作家原田康子の『挽歌』について、講演しました。
 小田島氏は「『挽歌』は、同人誌である北海文学で連載していた。その後、和田謹吾らに評価されて全国に広まった。地方の無名同人誌から全国に人気が広まったことは非常に稀なことだ」と名作が生まれた背景を述べました。
 その後小説の一部を抜粋し、ヒロイン兵藤怜子の行動に触れ「しばしば小悪魔的だと言われる。自分を叱ってくれる親がいなかったため、成長に必要な条件が奪われてしまった。そのため、他者に対して挑発的とも言える言動をするようになった」と解説しました。
 「『挽歌』は50年前の作品だが、読者に一切古臭さを感じさせない。怜子の行動や兵藤家の家族状況が、自分探しや家庭崩壊など今日的な問題を予兆していたと言える」と語りました。(記:吉本勝)

▼挽歌は若者にも読んで欲しいと語る小田島氏

観光地の本当の魅力は地元が発信する 地区会合同例会


 釧根三支部は1月28日に地区会合同例会を摩周地区会(竹森英彦会長)の主管で開催しました。摩周地区会では2回目の開催となる今回の合同例会ではツーリズムてしかが社長の白石悠浩氏が「着地型観光の可能性を考える」と題して講演を行いました。

 開会のあいさつで摩周地区会の竹森会長は「厳しい経済情勢の中にあって、同友会が中心となって進めてきた『中小企業振興基本条例』が各自治体で続々と制定されている。弟子屈町も4月1日に施行の予定だ。白石氏の取り組んでいる『着地型観光』も域内循環を高める機能があるという。各地区会の皆さんも勉強して役立ててほしい」と述べました。

 続く講演会で白石氏は「ツーリズムてしかがは設立して2年しか経っていない若い会社だ。試行錯誤の中で旅行商品の開発を行っている」と自社を紹介しました。「着地型観光」という聞き馴染みの薄い言葉についても「従来は出発地の都市圏にある旅行会社が商品を開発、提案して集客していたが、これを旅行業界で『発地型観光』と呼んでいた。『着地型観光』とは、到着地の旅行会社が開発、提案する事を指す。旅慣れた現代の旅行者に対して、より細かな提案を行うのが特徴だ。地元が開発、提案することによって地域にお金が循環しやすいという利点もある」と解説しました。講演の結びで白石氏は「今後は阿寒湖地区と共同での旅行商品の開発など、地域の良さを存分に紹介する取組みを行っていく予定だ」と構想を披露しました。

▼挨拶する竹森会長

▼「着地型観光は地域おこしにも役立てる」と白石氏

年間7万5千人が訪れる農家レストラン 根室支部新年交礼会


 根室支部(高岡一朗支部長)は26日、新年交礼会を開催しました。新春講演は夕張郡長沼町の農家で自家栽培の野菜を使ったレストランを経営する(有)仲野農園社長の仲野満氏が「お客様の笑顔が見える農業を目指して」と題して行いました。

 開会の挨拶で高岡支部長は「世界的な不況に加えて漁獲高の減少など、根室市は厳しい状況にある。そんな中でも同友会会員は本音で学び合い、よい経営者になって良い会社を作るため、日々努力している。よい経営環境づくりのために条例制定運動を更に進めたい」と述べました。

 続いて講演した仲野氏はリンゴ農家の四代目として生れ「ただなんとなく、目標もなく跡取りとして就農した」と自身の生い立ちを紹介しました。しかし20代の半ば頃、十勝に住む友人を訪ねて出会った大規模農業に憧れます。「当時は収穫量の向上だけを目指して経営していた。顧客は農協だと思い、大量の農薬を使う事にも躊躇が無かった。しかしある時、父親がサクランボ狩りなどで消費者と直に触れあっているのを見て、自分の理想としてきた農業にむなしさを覚えた」と語った仲野氏はその後、消費者と直接やり取りができるレストラン経営に乗り出します。
 「効率化こそが農業経営の真髄」と考えていた仲野氏ですが、その後入会した同友会で学ぶうち、考えを改めます。仲野氏が導き出した答えは、顧客に対しては「安売りするのではなく、価格を据え置いたまま原価を引き上げて品質の良い商品を提供する」ことでした。社員に対しても叱って言う事を聞かせるのではなく「自分たちで考え、動くことが成長につながる」という結論に達したと言います。
 近年は「農家レストラン(ファームレストラン)」が道内にも増え始めてライバルが続出していますが、仲野氏は「初めは危機感を煽られたが、実際には売り上げが向上した。ライバルの出現は自社の成長には必要な要素だ」と述べ、「今後は同じようなレストランが町内にも増え、結果として長沼町に多くの人が訪れるようになり、町が豊かになってほしい」と講演を結びました。

 懇親会で挨拶した北海道同友会代表理事の守和彦氏は「現在、同友会はこれまでにも増して注目されている存在だ。今後も活発な運動を続けて『同友会があったからあの時乗り越えられた』と言われるようにならなければならない」と語りました。
 また、杉山忠夫商工会議所副会頭は「中小企業振興基本条例の制定に向けて、同友会と連携して勉強会を行いたい」と力強く述べました。

★当日の来賓は以下の方々
一條雄治北海道根室振興局産業振興部長、島野治人根室市水産経済部長、杉山忠夫根室商工会議所副会頭

▼「共育をテーマにした勉強会を展開していきたい」高岡支部長

▼レストランのログハウスも自分で建てたという仲野氏

▼「憲章、条例制定に向けた機運がますます盛り上がっている」守氏

▼「地域経済を盛り上げる原動力として期待している」一條氏

▼「ベトナムへのサンマ輸出など、市としても地域を守る施策を進めたい」島野氏

▼「条例制定運動の連携を橋渡ししたい」杉山氏

★新年交礼会当日の模様が釧路新聞に掲載されました。こちらからご覧ください!
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=913

田村氏、平井氏が報告 〜釧路支部・新会員報告交流会を開催〜


 釧路支部(亀岡孝支部長)は25日に新会員報告交流会を開催し、サービングの田村氏とウインドヒルの平井氏とが報告しました。

 広告、販売促進に関する企画、制作を手がける田村氏は「以前は印刷会社や販売促進とデザイン制作を行う企業などに勤務する中で、やり遂げる楽しみやお客様を喜ばせる楽しみを知った」とこれまでの仕事に対する思いを述べました。「多くの業種の方と仕事をする機会があり、お客様から学ぶことは非常に多い。サービングという意味は、役に立つとう意味だ。時間はかかるが、お客様からじっくりと話を聞き本当に必要な情報、サービスを提供し、お客様にとって本当の意味で役に立つように取り組んでいきたい。今後、店舗の立ち上げからお客様と関わり、デザインにも力を入れていきたい」と将来の展望を語りました。
 
 続いて報告した不動産業を営む平井氏は「昔の同僚が宅地建物取引主任者の参考書を読んでいたのが、不動産に興味を持ったのがきっかけだった。その後14年間不動産会社に勤務し、厳しい状況だとわかっているが自分でやってみたかった」と独立した経緯を語りました。「これまでの不動産のイメージを払拭するために明るい店舗作りを心がけ、お客様が来店しやすいよう心がけている。そして何より開業以来、自分の考えに共感し、理解してくれているスタッフに恵まれている。そのスタッフ達が本当に困ったときに手を差し伸べられるような環境を作り、道東の拠点となれるようさらに頑張りたい」と述べました。

▼フリーペーパー「19」の発行も手がける田村氏

▼スタッフに恵まれていると語る平井氏

★サービングホームページ
http://www.serving.bz/

★ウインドヒルホームページ
http://www.web-windhill.com/

条例に基づいた起業支援の輪が広がる k-Biz相談会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は22日、今年度4回目の「k−Biz発くしろ起業サポート相談会」を開催し、8社が新規参入や新商品に関する相談に訪れました。相談者は機械製造業、食品加工製造、サービス業など多岐に渡りました。

 相談者に対してk−Bizセンター長の小出宗昭氏は「ターゲットを明確に定めてみては」「本州の企業ではこうやっている。参考にしては」など、的確なアドバイスを瞬時に行っていきました。今回は公認スポーツ栄養士のこばたてるみ氏((株)しょくスポーツ代表)も来釧し、栄養士の視点からアドバイスを行いました。こばた氏は「釧路地域には鉄分を多く含む食材が多い。これを活用して新たな食品がブランディング出来るのでは」と期待を寄せました。

 全8社の相談を終えた小出氏は「k−Biz相談会は回を追うごとに件数、充実度が増している。着実に他地域へ発信できる商品があると確信した」と手ごたえを滲ませました。

★次回は3月26日(土)に相談会を行う予定です。

▼小出氏とこばた氏による創造性に富んだ相談会になりました。

▼「差別化に成功している事例を参考にするのも必要だ」と説いた小出氏

★相談会当日の模様が釧路新聞に掲載されました。こちらからご覧ください!
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=901

★相談会当日の模様が北海道新聞に掲載されました。こちらからご覧ください!
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=906

場面に合わせて的確な情報を伝えよう 釧路支部幹部大学第二講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は21日、幹部大学の第二講を行いました。今回は「上手く相手に自分を伝える方法」をテーマにシーズサービス(株)の迫田栄重氏が講演し、受講者はグループワークも交えて「効果的な伝え方」を学びました。

 現在、結婚式や各種イベントの司会業で活躍している迫田氏ですが、生来人前で話す事が得意だったわけではなかったと言います。「人前で話せるようになるには訓練が必要だ。より早く克服できるようにテクニックを伝授したい」と語った迫田氏は初対面での基本となる「自己紹介」を使って、効果的な話し方を紹介しました。「自分をよりよく知ってもらおうとして、一方的に情報だけを述べ続けるのでは、上手な自己紹介とはいえない。時と場合、相手に合わせて伝える情報を取捨選択することが重要。表情、身振りを交えることも効果的だ」と述べた迫田氏は、自分のことを箇条書きで書き出し、場面に合わせた組み立てをする方法を、例を示しながら指導しました。

 講演の最後に迫田氏は「よく通る声で話す事も重要。伝えようとして大声を出す人がいるが、喉を傷めるだけだ。唇だけで話すのではなく、アゴも使って話す練習が効果的だ。笑顔も忘れずに」と受講生を励ましました。

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 次回、第三講は釧路工業高等専門学校・教授の小田島本有氏が講演します。
 テーマは「文学から学ぶもの〜原田康子の『挽歌』を通して〜」です。
 1月28日(金)18時00分〜20時15分、場所はまなぼっと703です。
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▼「まとめてから話すという技法を幹部大学のレポートにも活かしてほしい」と語った迫田氏

▼早口言葉等で滑舌を良くする練習も行いました

予算ゼロの市民活動が500億円の経済波及効果を生んだ 釧路支部新年交礼会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は1月18日、新年交礼会を開催しました。新春講演には150名が参加し、B級ご当地グルメの日本一を決める「B‐1グランプリ」で2006年、2007年に連覇を達成した「富士宮やきそば学会」会長の渡辺英彦氏が講演しました。

 講演の中で従来の地域おこしの欠点について触れた渡辺氏は「『来て、見て、食べればわかる』は『来なければ何も解らない』ことと同じだ。行ってみたいと思う気持ちをを喚起する売り込みを続けることが地域おこしが持続していくための秘訣だ」と語り、4PMIX(ミックス)の考え方を披露しました。4Pとは、Product(ものづくり)、Place(場所)、Price(価格)、Promotion(売り込み)の頭文字をとったもので、「富士宮市で昔から市民に親しまれてきたやきそば(ものづくり)とそれを販売する店舗(場所)、それに手頃な値段(価格)を上手によその地域へ宣伝(売り込み)したことが、10年で500億円にも上る経済波及効果をもたらした。富士宮市ではやきそばを通じて様々な産業が活性化している」と報告しました。

 講演のまとめで渡辺氏は「市民の『勝手連』的な運動は予算ゼロでも展開することが出来、自由度も高い。B級グルメは言ったもの勝ちの要素が強いので、全国各地で運動を始められる。しかし、取ってつけた様なものでは定着しない。その土地で古くから馴染みのある商品に着目し、上手に売り込むことが大切だ」と紹介しました。

 講演会の後に行われた交礼会では、釧路支部の亀岡孝支部長が「同友会には厳しい経営環境の中でも学び合いと育ち合いで乗り越えてきた歴史がある。先行きの不透明感が深まる中でもしっかりと会員同士が本音で語り合い、学び合う例会を行いたい」と挨拶しました。

 北海道同友会の守和彦代表理事は「昨年6月に中小企業憲章が閣議決定され、経済の中心が中小企業によって支えられていることが確認された。憲章運動の先頭に立ってきた同友会は各方面からも注目を集める存在だ。北海道経済の原動力になるよう、運動を拡大したい」と会員を励ましました。

 来賓を代表して挨拶した釧路総合振興局の柴田達夫局長は「釧根地域には産業の新しい『芽』がたくさんある。今日の渡辺さんの講演を聞いて、地域おこしには粘り強さが不可欠だという事が改めて確認できた。振興局としても協力体制を築いていきたい」と述べました。釧路市の蝦名大也市長は「同友会の活動には非常に注目している。釧路市としても地域の活性化のためには協力を惜しまない」と同友会の活動を評価しました。

★当日の来賓は以下の通り(順不同)
北海道釧路総合振興局局長(柴田達夫氏)同産業振興部長(関藤博臣氏)釧路市長(蝦名大也氏)同産業振興部長(星光二氏)釧路商工会議所専務理事(濱谷重夫氏)日本銀行釧路支店総務課長(加瀬豊氏)北海道銀行釧路支店執行役員釧路支店長(中村茂雄氏)北洋銀行釧路中央支店執行役員支店長(福村浩氏)同副支店長(栗尾史郎氏)北陸銀行釧路支店課長(浦田義雄氏)釧路信用金庫常勤理事(森村好幸氏)

▼「事業化し、商品化すればオヤジギャグもすべらない」と語った渡辺氏

▼会場を埋め尽くした参加者

▼釧路支部:亀岡孝支部長

▼北海道同友会:守和彦代表理事

▼釧路商工会議所:濱谷重夫専務理事

▼釧路市:蝦名大也市長

▼釧路支部:石橋榮紀副支部長

▼右奥から富士宮やきそばドロップ
“やきそばに合う日本酒”だいびんじょう
“ニジマスに合う日本酒”鱒々だいびんじょう
手前:富士宮やきそばでの地域おこしを紹介した渡辺氏の著書「ヤ・キ・ソ・バ・イ・ブ・ル」

★当日の模様が各紙で報道されています。下記リンクからご覧いただけます。
北海道新聞(1/19付)
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=897
釧路新聞(1/20付)
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=899

コミュニケーションの大切さを学ぶ 〜第18期幹部大学が開講〜


 釧路支部(亀岡孝支部長)は14日に幹部大学を開講しました。今期で18期を迎える幹部大学は、広い知識や必要な経済、文化、文学、哲学、歴史などの学習を通じて幹部社員として不可欠な科学的なものの見方、考え方を見につけることを目的としています。これまで約200名が修了し、各分野で活躍しています。

 第一講では釧路工業高等専門学校の三島利紀准教授が「良好な人間関係の築き方」と題して、講演しました。
 三島氏は、自分の開放領域を広げることがコミュニケーションを図る上で非常に重要とし「積極的に自己開示することで、お互いの新たな一面を発見することができる。今回のグループワークを通して、自身の振る舞い、行動に焦点を当てて、感情の情報を共有してもらいたい」と述べました。その後受講者は、他者紹介やじゃんけんインタビューなどグループワークを行い、受講者の交流を深めました。

※第二講は1月21日(金)18時から、まなぼっとで「上手く相手に自分を伝える方法」と題して、シーズサービスの迫田氏が講演します。

★当日の様子が釧路新聞に掲載されました。こちらからご覧下さい。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=896

▼コミュニケーションの大切さを語る三島氏

▼グループワークを通して、学びを深める受講生

小形氏、木下氏が報告 〜新会員報告交流会を開催・釧路支部〜


 釧路支部(亀岡孝支部長)は7日に新会員報告交流会を開催し、エーアイ・カンパニーの小形氏と環境機器の木下氏が報告しました。

 農業用施設や機械の設計・施行・修理を営む小形氏は「これまで季節変動型の仕事をしていたが、365日休みなく働いている農家のために機械を開発しようと思い、日々業務に取り組んでいる。また、糞尿の臭気対策のため、散布装置を共同開発し、現在実験を重ね特許を申請している。今後先の見えない状況に対応するためにも、機械の開発はもちろんだが、様々な場面を想定して分析することが大切だ」と自社の取り組みと農家に対する思いを述べました。

 環境装置の設置とコンサルタント業を行う木下氏は「10年がかりで取得した特許の内容は、磁気と遠赤外線を流体の流れる配管に作用させることで熱効率を上げる技術だ。消費エネルギーを減少させ、灯油代や電気代などの節約、自動車の燃費向上などに効果がある。技術も地域のための知恵であり、今後も地域に要求されることを地道に取り組んでいきたい」と語りました。 (記:吉本勝)

▼将来の夢を語る小形氏

▼大手電器メーカーの技術者でもあった木下氏

京都大学岡田氏が中小企業振興条例について釧根で講演


 (社)北海道中小企業家同友会は中小企業振興条例に基づいた中小企業振興策を進めていますが、同問題を研究している京都大学大学院経済学研究科教授の岡田知弘氏はこのほど釧根を訪れ、条例を活用した地域づくりについて12月2日に南しれとこ支部別海地区会、12月3日は釧路支部摩周地区会、12月4日は釧路支部で講演を行いました。

 岡田氏はまず「釧路の経済は北海道経済・日本経済の基盤であり、地域経済の特徴を明確にした上で政策を打つべき」と述べ、1980年代からの日本経済の変化について一部の大企業を優遇させた施策により、地方の経済が困窮した経緯について言及しました。

 その上で「昨今の景気は待っていればそのうち循環するものではない。地域経済の主体である中小企業や農業者NPOが行動するべきで、その指針として中小企業基本条例がある」と述べました。また、中小企業基本条例に加えて千葉県等では公契約条例が施行され中小企業振興策が講じられている事を挙げ、中小企業基本条例と公契約条例の二つがあれば中小企業を中心とした地域活性化は促進されると続けました。

 最後に、地域内循環に触れ「大規模公共工事や企業誘致をしても利益は本社に移転するため、地方は潤わない。地域が豊かになるとは住民一人ひとりの生活が維持され向上する事。その為には地域の経済主体である中小企業や農業者NPOなどが毎年、地域に再投資を繰り返す事で仕事と所得が生まれ、生活が維持・拡大する」と述べ、地域の持続的発展のカギを握るのは中小企業であると結びました。

▼釧路支部での講演録はこちらからダウンロードできます

http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=5&lid=247

▼地域内再投資力の大切さを語る岡田氏

▼条例制定後の取組みについて学ぶ会員

別海地区会 寺井氏が報告 宮城同友会経営研究集会


 宮城県同友会は11月24日、経営研究集会を仙台市内のパレス平安で開催し、宮城県内外から670名が参加しました。6つの分科会の内、企業と地域づくりをテーマにした分科会で別海地区会会長の寺井範男氏が「地域を救え!中小企業振興基本条例から生まれた『医良同友』」と題して報告しました。

 「別海町中小企業振興基本条例」制定までの道程や条例制定後の施策検討、医良同友発会までの経緯などを報告した寺井氏は「別海町は人口では『小さな町』だが面積は広大だ。唯一の医療機関である町立病院を守り立てることで町民の健康を守り、健やかに暮らせる街づくりこそが地域経済発展のカギになる」と力強く述べました。分科会の参加者からは地域医療の拡充や、条例を活用した地域振興策に関する質問が出されました。

▼「医師との交流は地域医療確保の基本」と語った寺井氏

▼約60人が参加した分科会

▼670人の参加者が会場を埋め尽くしました。

▼100名のゲスト(非会員)も参加した懇親会

「売れる仕掛けはこの二人から学べ」〜釧路ビジネスフォーラム2010〜釧路支部


 釧路支部(亀岡支部長)は11月6日に釧路市民文化会館で「釧路ビジネスフォーラム2010」を開催しました。本フォーラムは中小企業基本条例制定後の取り組みの一環として釧路市と共同で開催したものです。当日は「売れる仕掛けはこの二人から学べ!!」をテーマに、フリーパレット集客施設研究所の藤村正宏氏と、富士市産業支援センター(f-Biz)の小出宗昭氏が講演し、300名が参加しました。

 最初に講演した藤村氏は釧路市出身で「モノではなく体験を売ろう」と唱える「エクスペリエンス・マーケティング」で企業のコンサルティングを行っています。藤村氏は「どんなに不景気でも必要なものは売れるし、人は必要と思えば高くても買う。肝心なのはその会社・商品が選ばれるかどうかで、劇的に売れるためには視点を変えてみる事が必要だ。視点を変えるだけならコストはゼロで、今すぐ出来る」と述べました。
 また、販売促進のポイントとして「ターゲットを明確にすること」「商品の内容や価値をわかりやすくすること」「消費者にその商品を『買う理由』を明確に伝えること」の3点を強調しました。
 
 次に講演した小出氏は富士市産業支援センターでの実践例を用いてヒット商品のつくり方について3点のポイントを挙げました。
 第1のポイントは、企業自身も気付かなかった「強みを引き出し、活かす」こと。第2のポイントは、「販売対象を明確」にして売り込みを容易にする事。また、第3のポイントである「繋がることの重要性」については、富士市産業支援
センターでの支援例を紹介しながら地域企業間の連携について述べました。
 また、小出氏は「このような動きは全国どこででも作れるはずだ。同友会釧路支部と釧路市が推進するk-Bizでも既にいくつか面白い案件が出てきている」と釧路地域の可能性について言及しました。
 

 両氏の講演後に行われた対談では釧根の魅力と今後の方向性について活発な議論が交わされ、盛会のうちにフォーラムは終了しました。

 小出氏は1月と3月に来釧し、「くしろ起業サポート相談会(k-Biz)」を開催する予定です。

▼富士市産業支援センター(f-Biz)HP
http://www.f-biz.jp/index.html

▼藤村正宏氏のエクスペリエンス・マーケティングWEB
http://www.ex-ma.com/

★釧路新聞の記事はこちらからご覧ください。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=855

▼売れる仕掛けを学ぶ参加者

▼「モノではなく体験を売ろう」と語る藤村氏

▼藤村氏の最新刊「集客力」

 

▼釧路地域の可能性について言及する小出氏

▼小出氏の最新刊「100戦100勝の事業サポート術」

根室市歴史と自然の資料館を見学 〜根室支部山高会10月例会〜


 根室支部青年部の山高会(戸愼太朗代表)は10月30日「根室経済の発展の足跡を辿る」と題して10月例会を開催しました。今回は「根室市歴史と自然の資料館」を見学し、学芸員の猪熊樹人氏が解説しました。

 猪熊氏は「全道で500ヶ所近くあるアイヌのチャシ(砦)跡のうち、32ヶ所が根室市内で発見されている。この近辺で獲れるラッコの毛皮やワシ・タカなど猛禽類の羽が珍重されいたことから、古くからこの地域が経済面で重要な地位を占めていたことが分かる」と交易の拠点として誕生した根室を紹介しました。さらに明治以降の歴史について「日露戦争を機に、千島への輸送、水産業の拠点としても根室は機能した。根室で最初の新聞だった『北友』は関東に対して、根室という地域をアピールして民衆を呼び寄せようとする意図があったようで、現在で言う観光誘致にもつながる試みが行われていたことが分かる」と当時の根室地域の活況を解説しました。

 展示物を見学した参加者からは「昭和初期の地図に、現在も残る屋号があったりして根室の歴史を振り返る上で大変勉強になる」と声が上がっていました。

▼資料について解説する猪熊学芸員

道研参加者が報告 〜根室支部10月例会〜


 根室支部(高岡一朗支部長)は10月29日、10月例会を開催し、10月15、16日に札幌で開催された「全道経営者共育研究集会」に参加した支部会員が各分科会について報告しました。

 この日は7分科会、9名が参加した中から5つの分科会について各1名が報告しました。各報告者からは「初めて参加したが、年配の経営者がグループ討論で貪欲に学ぶ姿に感動した」「道研は『敷居』が高く感じていたが参加して本当に良かった」「報告者の実践から、自分の会社にも当てはめられるヒントが得られた」など道研で吸収してきた学びについての率直な感想が挙げられました。

 閉会のあいさつに立った田家組織企画担当副支部長は「業務の関係で今年は参加できなかったが、参加者の報告から商売における『志』の大切さが伝わってきた。今日の報告を参考にして、根室の将来に対するしっかりしたビジョンを持って前向きに経営していきたい」と述べました。

▼7分科会の報告をした田嶋氏

▼11分科会の報告をした鈴木氏

▼16分科会の報告をした嶋津氏

▼17分科会の報告をした吉田氏

▼20分科会の報告をした谷内田氏

摩周工産 古瀬氏が報告 〜摩周地区会10月例会〜


 摩周地区会(竹森英彦会長)は10月27日、10月例会を開催し摩周工産社長の古瀬透氏が経営体験を報告しました。

 古瀬氏は、自身が摩周工産を承継するまでを報告し「自動車短期大学(自短)を卒業し、日産のディーラーへ就職した。当時、日産には自短を卒業したサービスマンがおらず、また中学生のころから家業の自動車修理を手伝っていた経験も役立って、非常に重宝がられた。入社時は『一通り全部経験できるだろう』と本社勤務を希望していたが、出張で地方拠点の業務を知ってからはそちらの方が魅力的だった」と当時を振り返りました。

 実家の摩周工産に戻ってからについて、古瀬氏は「職歴の長い職工と仕事の進め方で衝突したり、取引業者との『慣例主義』で苦労したが一つ一つ解決してきた。今後の自動車業界はハイブリッド車など、駆動系よりも電気系統が重要になる。車検制度の移り変わりなどもあり、自動車修理業には厳しい時代になることが予想されるが、接客面の改善など人と人とのつながりを重視してリピーターの獲得に活路を見出したい」と報告しました。

▼笑いを交えて報告した古瀬氏

厚岸町の経済の特徴 厚岸地区会10月例会


 厚岸地区会(中村一明会長)は21日に10月例会を開催し、釧路公立大学の下山朗准教授が「地域が持つ強みと弱み」について講演しました。
 同友会と共同で地域経済分析をしている下山氏は「厚岸町はサービス業、卸業、小売業を軸に地域経済が形成されている。また、大企業の支社、支店等で働いているというよりは、地域独自の事業所、法人で働いている割合が高い」と様々なデータを用いて解説しました。
 最後に「昨今業績が伸びている飲食、宿泊業や農業、食品加工業は他の産業とうまく調和することができる。厚岸に来ないと食べられないなど上手な仕掛けを作れば、波及効果をより高めることができる」と述べました。

▼厚岸町の可能性について語る下山氏

「あの人を」同友会に誘ってみよう会 釧路支部


 釧路支部(亀岡孝支部長)は26日に会員拡大キャンペーンの一環として、「『あの人』を同友会に誘ってみよう会」を開催し、ゲストの非会員を迎えました。
 初めに同友会の活動について副幹事長の浅野葉子氏が「同友会では会員の生の声を直接聞くことができ、本音で意見交換ができるのが一番の長所でないか。私は入会して本音で語り合える仲間が増えた」と述べました。
 続いて中小企業診断士の松井智聖氏が「地域を支える中小企業が元気にならないと街の活性化に繋がらない。我々専門家を積極的に活用し、活性化につなげてもらいたい」と語り、共育求人委員長の須藤隆昭氏が「同友会では理念、社員共育など非常に参考になる点が多い。中でも言葉や文章で人に伝えることの重要性を学んだ」と話し、自社の取り組みを紹介しました。
 最後に組織委員長の樋口氏が「同友会では講演を聞くだけでなく、講演テーマに沿ってグループ討論や意見交換を学びを深めている。自分の考えを相手に伝えることにより、さらに学んだ内容について深めることができる。また勉強会ばかりではなく、会員同士の交流を深める企画も定期的に行っているので、ぜひ参加してほしい」とゲストに呼びかけました。
 釧路支部では組織委員会が中心となり、11月までのキャンペーン中に40社の拡大を目指しています。お知り合いの方がいましたらぜひ同友会にお誘いし、学び合う仲間を増やしましょう。 

▼ゲストに呼びかける組織委員長の樋口氏

▼同友会の紹介をする浅野氏

▼専門家の活用を呼びかける松井氏

▼同友会での学びを語る須藤氏

「持続可能な会社を目指して」釧路支部10月例会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は20日に10月例会を開催し「持続可能な会社を目指して」と題して、伊藤デイリーの伊藤社長と昭和冷凍プラントの若山社長が報告しました。
 最初に鶴居村で酪農業を営む伊藤氏が報告し「近年酪農家の戸数が後継者不足のために減少している。酪農というと1年間休みが無く、常に働いているイメージが定着している。そのイメージをなくすために法人化を決意した。これまでは家族経営だったが、社員が働きやすいよう福利厚生など雇用体制を整備した。今後さらに法人農場が増えれば、酪農業が盛んになる。持続可能な農場が増えれば、地域の活性化にもつながるはずだ」と述べました。
 続いて報告した、釧路市内で冷凍・冷蔵設備工事業を営む若山氏は「様々なところから情報収集をし、現在の窒素氷を開発した。窒素を含んだ氷は魚介の酸化を防ぎ、より新鮮な商品をお届けすることができる」と語りました。「幅広い分野に興味を持つことによって、新たな発見ができる。チャンスは色々なところにあるものだ」と締めくくりました。

▼法人化を決意した経緯を語る伊藤氏

▼持続可能な会社づくりには奥様の協力は不可欠と語る若山氏

★昭和冷凍プラントのホームページはこちらからご覧下さい。
http://www.showareitou.jp/

石塚氏、嶋倉氏が報告 〜釧路支部・新会員報告交流会〜


 釧路支部(亀岡孝支部長)は13日、第3回新会員報告交流会を開催し、アルファシステム社長の石塚茂樹氏とライン社長の嶋倉真人氏が報告しました。

 初めに釧路市でオリジナルソフトウェア等を開発、販売するアルファシステムの石塚氏が報告し、「40歳で脱サラして事業を始めた。大手メーカーの援助を得たり、自社の名前を広めるために薄利で機器販売を行ったりと、その時々の状況に合わせて戦略を立ててきた。現在はポイントカードシステムの開発や、ショッピングサイトの運営にも力を入れている。ポイントカードは域内循環を高めるための道具として、またショッピングサイトは良い商品を広めたり、売り手の『思い』を伝えるために活用してもらいたい」と、自社の取り組みと石塚氏自身の思いを語りました。

 次に報告したラインの嶋倉氏は「アルバイトとして中古車業界に出会い、22歳で独立して今年で13年になる。その間には自分の経営に対する認識の甘さから失敗したり、利益ばかりを追う経営に走ったり、と反省する事も多かった。しかし、そこから多くのことを学び、社員をしっかりと雇用し、育成することで仕事に対する責任感を持たせ、それが会社の成長になるという考えに至った。今の私の目標は『100年続く会社』を作ること。そのための仲間、社員を育てていきたい」と語りました。

▼「霞が関の本庁へ出かけていき、直談判したこともある」と語った石塚氏

▼自社の取り組みや社員の素顔をブログで紹介する等の取り組みも行っているという嶋倉氏

★アルファシステムホームページ
http://www.alpha-s.co.jp/

★ラインホームページ
http://www.linecompany.jp/