釧路支部(亀岡孝支部長)は18日に幹部大学の第六講を開催しました。今回はタカオ工業の岩口氏と美警の三上氏が「中小企業の生き残り戦略」と題して、報告しました。
警備業を営む三上氏は「全国で警備業者は約9000社あり、警備員は50万人を越えている。年々警備員の数は増加し、社会に求められる存在になっている」と業界の現状を説明しました。生き残り戦略について「まずは自社の強みを伸ばすことだ。ヒト・モノ・カネなどの経営資源が限られている中、ヒトとカネのバランスを取りながら取り組んでいる」と述べました。特にヒトについて「公共工事が減った時期を活用し、社員育成に力を入れようと決意した。その結果、検定資格の取得を目指し、業務終了後に勉強会を開催したり、現場をより良いものにしようと安全推進委員会を立ち上げたりなど社員が自ら会社を良くしようと取り組んでいる。その環境作りをするのが私の役目だ」と語りました。
続いて報告した岩口氏は「建設業は受注産業であり、商品は事業資本または快適追求のツールとなり、全てオーダーメイドだ」と業界の特徴を説明しました。「信頼感の構築、経営指針の共有、顧客ニーズの発掘、人材を育むシステムとホウレンソウの輪などが我が社の生き残り戦略だ。具体策として、維持や修繕などの長寿命化工事へのシフトや同業他社との連携を図り、お互いの強みを活かして共同受注したりなど取り組んでいる」と述べました。
最後に「経営戦略上の理念、方向性、独自性、有効性などは効果が確認できるまで、時間がかかることが多い。そのため業務を計画的に確実に進めるための手法が重要で、改善に取り組む強い決意と覚悟が必要だ」と強調しました。
その後、受講者グループに分かれ「会社が生き残るために、自分自身が取り組むべき課題」について、討論しました。「中小企業ならではの取り組みが必要」、「情報の迅速な提供」、「既存の顧客に対してのフォロー」などの意見が出され、異業種間での意見交換を活発に行いました。(記:吉本勝)
※第七講2月25日(金)18時から、まなぼっと602教室で「金融機関から見る釧路の現状と課題」と題して、釧路信用金庫の森村部長が報告します。
▼社員育成について語る三上氏
▼経営戦略には強い決意と覚悟が必要と語る岩口氏