一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

年間7万5千人が訪れる農家レストラン 根室支部新年交礼会


 根室支部(高岡一朗支部長)は26日、新年交礼会を開催しました。新春講演は夕張郡長沼町の農家で自家栽培の野菜を使ったレストランを経営する(有)仲野農園社長の仲野満氏が「お客様の笑顔が見える農業を目指して」と題して行いました。

 開会の挨拶で高岡支部長は「世界的な不況に加えて漁獲高の減少など、根室市は厳しい状況にある。そんな中でも同友会会員は本音で学び合い、よい経営者になって良い会社を作るため、日々努力している。よい経営環境づくりのために条例制定運動を更に進めたい」と述べました。

 続いて講演した仲野氏はリンゴ農家の四代目として生れ「ただなんとなく、目標もなく跡取りとして就農した」と自身の生い立ちを紹介しました。しかし20代の半ば頃、十勝に住む友人を訪ねて出会った大規模農業に憧れます。「当時は収穫量の向上だけを目指して経営していた。顧客は農協だと思い、大量の農薬を使う事にも躊躇が無かった。しかしある時、父親がサクランボ狩りなどで消費者と直に触れあっているのを見て、自分の理想としてきた農業にむなしさを覚えた」と語った仲野氏はその後、消費者と直接やり取りができるレストラン経営に乗り出します。
 「効率化こそが農業経営の真髄」と考えていた仲野氏ですが、その後入会した同友会で学ぶうち、考えを改めます。仲野氏が導き出した答えは、顧客に対しては「安売りするのではなく、価格を据え置いたまま原価を引き上げて品質の良い商品を提供する」ことでした。社員に対しても叱って言う事を聞かせるのではなく「自分たちで考え、動くことが成長につながる」という結論に達したと言います。
 近年は「農家レストラン(ファームレストラン)」が道内にも増え始めてライバルが続出していますが、仲野氏は「初めは危機感を煽られたが、実際には売り上げが向上した。ライバルの出現は自社の成長には必要な要素だ」と述べ、「今後は同じようなレストランが町内にも増え、結果として長沼町に多くの人が訪れるようになり、町が豊かになってほしい」と講演を結びました。

 懇親会で挨拶した北海道同友会代表理事の守和彦氏は「現在、同友会はこれまでにも増して注目されている存在だ。今後も活発な運動を続けて『同友会があったからあの時乗り越えられた』と言われるようにならなければならない」と語りました。
 また、杉山忠夫商工会議所副会頭は「中小企業振興基本条例の制定に向けて、同友会と連携して勉強会を行いたい」と力強く述べました。

★当日の来賓は以下の方々
一條雄治北海道根室振興局産業振興部長、島野治人根室市水産経済部長、杉山忠夫根室商工会議所副会頭

▼「共育をテーマにした勉強会を展開していきたい」高岡支部長

▼レストランのログハウスも自分で建てたという仲野氏

▼「憲章、条例制定に向けた機運がますます盛り上がっている」守氏

▼「地域経済を盛り上げる原動力として期待している」一條氏

▼「ベトナムへのサンマ輸出など、市としても地域を守る施策を進めたい」島野氏

▼「条例制定運動の連携を橋渡ししたい」杉山氏

★新年交礼会当日の模様が釧路新聞に掲載されました。こちらからご覧ください!
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=913

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