一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

予算ゼロの市民活動が500億円の経済波及効果を生んだ 釧路支部新年交礼会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は1月18日、新年交礼会を開催しました。新春講演には150名が参加し、B級ご当地グルメの日本一を決める「B‐1グランプリ」で2006年、2007年に連覇を達成した「富士宮やきそば学会」会長の渡辺英彦氏が講演しました。

 講演の中で従来の地域おこしの欠点について触れた渡辺氏は「『来て、見て、食べればわかる』は『来なければ何も解らない』ことと同じだ。行ってみたいと思う気持ちをを喚起する売り込みを続けることが地域おこしが持続していくための秘訣だ」と語り、4PMIX(ミックス)の考え方を披露しました。4Pとは、Product(ものづくり)、Place(場所)、Price(価格)、Promotion(売り込み)の頭文字をとったもので、「富士宮市で昔から市民に親しまれてきたやきそば(ものづくり)とそれを販売する店舗(場所)、それに手頃な値段(価格)を上手によその地域へ宣伝(売り込み)したことが、10年で500億円にも上る経済波及効果をもたらした。富士宮市ではやきそばを通じて様々な産業が活性化している」と報告しました。

 講演のまとめで渡辺氏は「市民の『勝手連』的な運動は予算ゼロでも展開することが出来、自由度も高い。B級グルメは言ったもの勝ちの要素が強いので、全国各地で運動を始められる。しかし、取ってつけた様なものでは定着しない。その土地で古くから馴染みのある商品に着目し、上手に売り込むことが大切だ」と紹介しました。

 講演会の後に行われた交礼会では、釧路支部の亀岡孝支部長が「同友会には厳しい経営環境の中でも学び合いと育ち合いで乗り越えてきた歴史がある。先行きの不透明感が深まる中でもしっかりと会員同士が本音で語り合い、学び合う例会を行いたい」と挨拶しました。

 北海道同友会の守和彦代表理事は「昨年6月に中小企業憲章が閣議決定され、経済の中心が中小企業によって支えられていることが確認された。憲章運動の先頭に立ってきた同友会は各方面からも注目を集める存在だ。北海道経済の原動力になるよう、運動を拡大したい」と会員を励ましました。

 来賓を代表して挨拶した釧路総合振興局の柴田達夫局長は「釧根地域には産業の新しい『芽』がたくさんある。今日の渡辺さんの講演を聞いて、地域おこしには粘り強さが不可欠だという事が改めて確認できた。振興局としても協力体制を築いていきたい」と述べました。釧路市の蝦名大也市長は「同友会の活動には非常に注目している。釧路市としても地域の活性化のためには協力を惜しまない」と同友会の活動を評価しました。

★当日の来賓は以下の通り(順不同)
北海道釧路総合振興局局長(柴田達夫氏)同産業振興部長(関藤博臣氏)釧路市長(蝦名大也氏)同産業振興部長(星光二氏)釧路商工会議所専務理事(濱谷重夫氏)日本銀行釧路支店総務課長(加瀬豊氏)北海道銀行釧路支店執行役員釧路支店長(中村茂雄氏)北洋銀行釧路中央支店執行役員支店長(福村浩氏)同副支店長(栗尾史郎氏)北陸銀行釧路支店課長(浦田義雄氏)釧路信用金庫常勤理事(森村好幸氏)

▼「事業化し、商品化すればオヤジギャグもすべらない」と語った渡辺氏

▼会場を埋め尽くした参加者

▼釧路支部:亀岡孝支部長

▼北海道同友会:守和彦代表理事

▼釧路商工会議所:濱谷重夫専務理事

▼釧路市:蝦名大也市長

▼釧路支部:石橋榮紀副支部長

▼右奥から富士宮やきそばドロップ
“やきそばに合う日本酒”だいびんじょう
“ニジマスに合う日本酒”鱒々だいびんじょう
手前:富士宮やきそばでの地域おこしを紹介した渡辺氏の著書「ヤ・キ・ソ・バ・イ・ブ・ル」

★当日の模様が各紙で報道されています。下記リンクからご覧いただけます。
北海道新聞(1/19付)
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=897
釧路新聞(1/20付)
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=899

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