一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

「普遍的な自分」 釧路支部幹部大学第四講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は4日に幹部大学の第四講を開催し、釧路公立大学の高野教授が「自分を見つめる」と題して講演しました。
 冒頭にサンデルの『これからの正義について話そう』を取り上げ、「社会の中に自由や正義が存在し、社会から離れたプライベートについては正義が当てはまらない。社会のみが人間活動の全てではない」とし、個の重要性について述べました。
 また、ドイツの哲学者ハイデガーの言説に触れ「我々は会社員や父親、母親など様々な役割を果たして生きている。役割は交代することができ、交代できないものこそが本来の自分だ。しかし、動けば動くほど役割が多くなり、本来の自分が見えなくなり不安に陥る」と述べました。
 最後にプラトンの『メノン』の一部を解説し「ソクラテスの質問が、メノンの心の内に持っている考えを引き出している。自分でも思いつかないような魂の奥に隠れている考えこそが、本当の自分の考えだ」と述べました。さらに「これまで自分とは何かと徹底的に考えてきたが、年齢を重ねるとともに自分がより普遍的な考えをするようになった。普遍的になることで、人間になっていく」と自身の見解を示しました。(記:吉本勝)

※第五講は2月10日(木)18時から、まなぼっと705教室で「釧路の歴史〜クスリから釧路へ〜」と題して、釧路公立大学の高嶋教授が講演します。

▼釧路公立大学の高野氏

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