一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

経営者のやる気で地域を元気に 南しれとこ支部新年交礼会


 南しれとこ支部(金曽義昭支部長)は1月21日、新年交礼会を40名が参加して開催しました。
 新春講演は同友会理事でマルキチ食品(株)代表取締役会長の金子宏氏が「経営者のやる気が企業と地域を元気にする」と題して講演し、佃煮業界初のISO9001、HACCP同時取得を成し遂げた同社の取り組みを紹介しました。「自分はフィーリングで動く経営者」と話す金子氏は取扱う商品を120品から20品に絞り込んで売上と利益を確保した経験や、従業員の平均年齢を45歳から24歳まで下げて若さとスタミナで国際規格を取得したエピソード等を披露しました。また小樽市にある小松食品の経営について触れ「駄目な会社は過剰在庫を抱える癖がある。在庫を取らないように倉庫を壊し、従業員の意識改革を進めてきた。経営を引き継いで5年が経ちやっと利益を出せる会社になった」と述べました。
 2006年から金子氏が実行委員長を務める「はこだてフードフェスタ」は2009年の第4回を東京「グランドプリンスホテル新高輪」で開催しました。「5回目の節目を東京でやるよりも、4回目の来場者が5回目で函館に来るようにしようと考えた。開催一か月前に700名余りだった来場申し込みが当日は悪天候にも関わらず905名が来場した。函館出身の有名人や会員の呼び掛けが功を奏したことに感激した」と金子氏は述べ、地域活性化の実践を紹介しました。

当日の来賓は以下の通り
根室支庁副支庁長:猪飼秀一氏、中標津町副町長:清原哲雄氏、中標津町議会議長:萬和男氏、中標津商工会会長:大橋清勝氏、社団法人中標津青年会議所副理事長:加藤孝則氏、北洋銀行中標津支店長:伊藤寛祥氏、北海道銀行中標津支店長:船木隆一氏、大地みらい信用金庫中標津支店長:谷川正弘氏、釧路信用組合中標津支店長:西山謙一氏

▼マルキチ食品(株)会長 金子宏氏

▼金子氏の講演に聞き入る参加者

▼挨拶する金曽支部長

▼「経営者のやる気を従業員に伝えることが大事」と挨拶する渡辺幹事長

第17期幹部大学がスタート 


 釧路支部は1月15日に第17期幹部大学の第1講を開催し、釧路工業高等専門学校の三島利紀准教授が「コミュニケーションの大切さを学ぼう〜体験からの気づき〜」と題して講演しました。

 今期の幹部大学は釧路支部会員企業の社員17名の受講でスタートしました。毎年第1講では人間関係の構築をテーマに講義を行っています。講義の中で三島氏は様々なグループワークを紹介し、「自分の知らない一面が、グループワークを通して見えてくる。実際にワークを行い、自分の知らない自分に気づくことが大切だ」と述べました。

 講義中受講生は三島氏が紹介したワークを実際に行い、その後自らの「気づき」について討論をしました。


▲釧路工業高等専門学校 准教授 三島 利紀氏


▲グループワークを行う受講生

 幹部大学は毎週金曜日午後6:00から開講します。
======================================
<第2講(話法)>1月22日(金)まなぼっと601
【テーマ】「ここを変えると貴方の話し方は上達する」
【講 師】(株)コム 代表取締役 小川 安夫 氏
【内 容】
 日常業務の中で、社員に自らの考えをしっかり伝えられているのだろうか。話し方を考え、実践する。
======================================

★幹部大学の聴講に関するお問い合わせは同友会釧根事務所まで
   
            TEL:0154−31−0923
            FAX:0154−31−0944

条例活用のさらなる推進を 別海地区会新年交礼会


 別海地区会(寺井範男会長・70社)は1月15日、新年交礼会を開催し40名が参加しました。

 「新政権で中小企業の経営環境はこう変わる〜中小企業立国への道程〜」と題して新春講演を行った慶應義塾大学教授の植田浩史氏は「産業ごとに見ても進むべき道筋が見通しにくい時代だ。経済、産業の方向性、実現までのプロセスを国レベルで定めて進めるべきだ」と中小企業憲章の必要性を述べ、政府が掲げる憲章制定への取り組みも「中小企業立国を実現するために政府だけではなく国民も注目すべきだ」と述べました。また「政府は現状の中小企業がおかれた環境に対応した支援策の実施と地域内循環の要として中小企業が充分な活動ができる条件を設定すべきだ」として官民手を取り合った取り組みの重要性を説明しました。

当日のご来賓は以下の通り。
別海町長:水沼猛氏、別海町議会議長:渡邊政吉氏、別海町商工会長:橋本淳一氏、別海町建設業協会会長:高玉政行氏

★当日のレジュメはこちらからご覧いただけます。
http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=2&lid=191

★新春講演の録音については事務局までお問い合わせください。
E‐mail:kushiro@hokkaido.doyu.jp
電話  :0154-31-0923

▼熱心に講演に耳を傾ける参加者

▼挨拶する寺井地区会長

▼「町としても積極的に取り組みたい」と話す水沼町長

▼渡邊別海町議会議長

▼橋本商工会長

中小企業立国を目指して 釧路支部新年交礼会


 釧路支部(亀岡孝支部長・469社)は1月14日、新年交礼会を開催し150名が参加しました。

 新春講演は慶應義塾大学教授の植田浩史氏が「新政権で中小企業の経営環境はこう変わる〜中小企業立国への道程〜」と題して講演し「グローバル経済の拡大とともに日本の技術が世界で苦戦する状況が生まれた。多機能・高水準の日本製品は認められているが売り上げに繋がらなくなっている。逆に世界市場では単純な機能でも低価格の商品が求められているからだ」とし、ダーウィンの進化論になぞらえて日本の経済を「ガラパゴス化現象が進んでいる」と説明しました。そのうえで「新政権は外需に即応しにくい日本の経済体質を理解し、雇用や地域循環を支える中小企業が存分に力を発揮できる条件を揃えることが重要だ」と述べ、中小企業振興条例や、中小企業憲章の必要性を強調しました。

当日のご来賓は以下の通り。
釧路市長:蝦名大也氏、釧路支庁産業振興部長:前川正史氏、釧路商工会議所専務理事:濱屋重夫氏、日本銀行釧路支店支店長:岩淵純一氏、日本政策金融公庫釧路支店支店長兼国民生活事業統括:中山幸夫氏、釧路信用金庫常務理事:山地是氏、釧路信用組合理事長:岩田豊氏、北洋銀行釧路中央支店執行役員支店長:福村浩氏、(社)北海道中小企業家同友会常任理事:吉田孝義氏

★当日のレジュメはこちらからご覧いただけます。
http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=2&lid=191

★新春講演の録音については事務局までお問い合わせください。
E‐mail:kushiro@hokkaido.doyu.jp
電話  :0154-31-0923

▼慶應義塾大学経済学部教授の植田浩史氏

▼新春の挨拶に立つ亀岡支部長

▼蝦名釧路市長

▼懇親会では恒例のノイズ倶楽部によるバンド演奏

農水連携、地域循環型酪農経営の現場から学ぶ 別海地区会12月例会


 南しれとこ支部別海地区会(寺井範男会長・70社)は12月15日、12月例会を開催し「農水連携、地域循環型酪農経営から学ぶ」と題して進洋丸水産の松原政勝さん、森高牧場の森高哲夫さんが牛の糞尿処理技術と成果について報告しました。

 サケ漁を主として水産業を営む松原さんは「以前は『事故』と呼ばれるサケ・マスふ化場での稚魚の大量死がたびたび発生していた。土壌に浸透した糞尿が川へ流出したことが原因の一つとして考えられたため、川のそばにある牧場に試験的に処理施設を造ったところ『事故』が減少した。その川の流域では10年以上『無事故』だ」と述べました。この処理施設は焼成したホタテ貝の貝殻の浄化機能を利用したもので、近隣の河川への影響もさることながら、牧場に立ちこめていた糞尿の臭いも殆ど気にならなくなったということです。

 続いて報告した森高さんはマイペース酪農を行う酪農家で、ホタテ貝を使ったし尿処理施設を導入した農家の一人です。「身の丈に合った酪農を行うことで時間的な余裕や、家畜への負担が軽減できる」との考えから、1haの土地に牛1頭の割合で放牧しています。乳量は農協平均の約半分ですが、費用も平均に比べてかなり低減されています。森高牧場ではたい肥盤を深さ60センチまで敷き詰めた貝殻の上に設け、そこからろ過された水分を土壌菌で分解しています。処理された無臭の液体は牧草地に肥料として撒かれ、育った牧草は飼料として循環しています。

 報告の後、実際に牧場を見学した参加者からは糞尿の臭いが全くしないことへの驚きや、費用、耐用年数などについての熱心な質問の声があがっていました。

▼「河川に近接する牧場を対象とした基金もあり、活用してほしい」と話す松原さん

▼「時間を有効利用できるのがマイペース酪農の特徴」と話す森高さん

▼アンモニアによるハウス内の鉄骨腐食も少ない曝気施設

自分の体験を笑いに変えよう 幹部大学同窓会忘年会


 釧路支部幹部大学同窓会は12月12日に忘年会を開催し、落語家の浮世亭狂楽氏が「ユーモアのある話し方とは」と題して記念講演に立ちました。

 浮世亭狂楽氏は市役所の職員として、同友会が進める釧路市中小企業基本条例の円卓会議や調査活動等で市の中心的役割を担い、また一方では落語家として高座にあがり活躍をしています。

 氏は講演の中で「笑いのある会話をするには、まず自分の体験を面白可笑しく話すことが大切。また話しの中で相手をほめることも重要だ」とポイントを語りました。また後半には落語を披露し、会場からは大きな笑いが起こりました。

ドクターヘリが運航開始!孝仁会記念病院を視察 釧路支部12月例会


 同友会釧路支部は12月11日に例会を開き、「ドクターヘリ運航!地域の医療を守れ!!」と題して社会医療法人孝仁会の佐藤事務部長が報告しました。

 今年10月5日に孝仁会と釧路市が協力してドクターヘリの運航を開始し、2ヵ月間に約40回出動して釧路・根室管内の救急医療に力を発揮しています。佐藤事務部長はドクターヘリ導入に至るまでの経緯を説明し、さらに「釧根管内は道央地方に比べて圧倒的に医師の数が少ない。ドクターヘリは50キロの距離を15分で移動でき、機内での初期治療が可能なので、地方の患者の救命率向上と予後の改善が期待できる」とドクターヘリの可能性について語りました 

 報告後参加者は孝仁会記念病院の医療設備とドクターヘリを見学し、道東における最新の医療に触れました。

 ★孝仁会記念病院では、同友会会員のドック検診割引を行っています。ご希望の方は同友会事務局までご相談ください。


▲社会医療法人孝仁会 事務部長 佐藤 環氏


▲孝仁会記念病院のヘリポートに待機しているドクターヘリ

100名以上が参加して医良同友設立総会を開催


南しれとこ支部別海地区会(寺井範男会長・68社)は11月29日、「医良同友設立総会」を開き、会員100名が参加しました。
 「医良同友(いいどうゆう)」は住民レベルでの医療サポートを目指して発足しました。寺井会長は「地域医療を守るために出来る限りの事をして自分たちの健康を確保する活動を行いたい」と挨拶しました。

 町立別海病院の西村院長は「この町で生まれて一生を過ごせるような医療体制を確立したい。他地域とも連携して1次医療から発展させた1.5次医療へ向けた取り組みを行うため応援してほしい」と述べ、出席した来賓からも「協働の町づくりの理念に合致した事業であり期待している」、「町民一丸となった町づくりにも繋がることで大変心強い」、「今まで医療問題はすべて行政任せになっていたが、実際に受診する住民一人一人が活動する医良同友は画期的で今後が楽しみ」など熱い期待が寄せられました。

 札幌から駆けつけた守代表理事も「子供たちが将来会員になっていくような輪が繋がっていくことを期待したい。企業組織率が28%を超える別海地区会は全国トップレベルの地区会だ。全国の町村に先駆けて中小企業振興基本条例が制定されたことでも注目されている。この勢いに乗って住んで安全、くらして安心な町づくりをしてほしい」と語りました。

当日の来賓は以下の通り。
別海町長・水沼猛氏、別海町議会議長・渡邊政吉氏、別海町副町長・磯田俊夫氏、別海町教育長・山口長伸氏、町立別海病院院長・西村進氏、同総師長・川瀬繁子氏、同事務長・真籠毅氏、別海町商工会会長・橋本淳一氏、別海町建設業協会会長・高玉政行氏、別海漁業協同組合専務理事・立澤靜夫氏、大地みらい信用金庫別海支店長・村上健明氏、(社)北海道中小企業家同友会代表理事・守和彦氏

主な役員は以下の通り。
会長・寺井範男氏、副会長・山崎宏氏、篠田巌氏、鈴木麗子氏、千葉実氏、細田清氏、事務局長・山口寿氏、顧問・水沼猛氏

★こちらから新聞各紙に紹介された記事をご覧いただけます。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=675

▼挨拶する寺井地区会長

▼水沼町長

▼守代表理事

▼別海中央小学校音楽部による演奏

▼町民有志が様々なアトラクションを披露しました

▼創作和太鼓・大地人

▼町立別海病院の西村院長も出演しました

釧根の経済の概要を学ぶ 経済学のイロハ第4講


 釧路支部幹部大学同窓会は11月27日に経済学のイロハ第4講を開催し、釧路公立大学の下山朗准教授が「釧路(道東)地域経済の構造」と題して中小企業分析の必要性を語りました。

 下山氏はまず地域経済の分析法について「地域経済を分析するためにはまず情報を整理する必要がある。地域で生じている問題が全国規模で起きている問題なのか、地域固有の問題なのか、また短期的なのか長期的なのか、それを見極めることが重要だ」と解説しました。

 その後、釧路及び道東における様々なデータを紹介し、釧根で発生している経済問題について言及しました。下山氏は「釧路は農林漁業に従事する人が多い一方で、食品加工業が比較的少ない。地元で獲れた生産物を加工する力が弱いと言える。しかし、食品加工業を充実させるためには商品を売る場所が街になければならない。食品加工業に対する需要をあげていくことが重要だ」と語りました。

 

 

大地みらい信金遠藤専務が講演 根室支部例会


 根室支部(高岡一朗支部長)は例会を開き、「昨今の経済情勢と企業経営」と題して、大地みらい信用金庫の遠藤専務理事が講演しました。

 遠藤氏は世界経済の大局観として、「リーマンショック後、全世界で失われた富は1000兆円に上るのではないか。世界各国がとった止血措置も大きな効果は見られず、先進国の財政赤字は危機前の4倍に迄膨れあがっているのが現状だ」と語り、世界金融危機の傷の大きさを語りました。加えて氏は「経営者の考え方一つで見えてくる景色は大きく変わる。デフレのときこそ有能な社員が育つ。社員と共に企業の方向性を見出し、常に変革を求めたいものだ。顧客がもつ不便、不満、不安、不足の4つの”不”を捉えることで新事業への道が開けるのではないか」と強調し、厳しく自社と向き合うことが重要だと語りました。

マクロ経済学とケインズを学ぶ 経済学のイロハ


 釧路支部幹部大学同窓会は11月20日に経済学のイロハ第3講を開講し、釧路公立大学の神野准教授がマクロ経済学について講演しました。

 第2講で学んだミクロ経済学が発展した19世紀末は、産業革命によって生産力が増加し、社会が豊かになっていく時代でした。それゆえ政府の経済への介入は最小限に抑えられ、個人の自由な経済活動が最大限に進められました。しかし、政府の経済不介入によって貧富の格差が拡大し、また1929年からの世界大恐慌によって失業率が25パーセントに達し、非常に不安定な社会でした。

 神野准教授は講義の中でマクロ経済学が生まれた背景について「マクロ経済学を唱えたケインズは、それまでのミクロ経済学における労働者と雇用側の行動分析に誤りがあると主張した。ミクロ経済学の世界では労働者が賃金の高低で働く時間を決めることができるが、それでは恐慌で無職になった人は賃金が安いから働かない、と自発的に失業していることになる。ケインズは、労働者は賃金と労働時間を決めることができないとの前提から、社会全体の雇用量を増やすためには社会全体の有効需要を増加させる必要があるとした」と説明し、さらに「ケインズは社会の安定と個人の自由のために、政府が経済に介入すべきと主張した。この考えは新自由主義と呼ばれている」と語りました。

経済学のイロハ最終講は11月27日(金) 18;30〜20:00 まなぼっと601で開催されます。

釧路支部 11月例会「中小企業振興基本条例で私たちの会社と故郷を守ろう」


 釧路支部(亀岡孝支部長・473社)は11月19日、11月例会を開催し、「中小企業振興基本条例で私たちの会社と故郷を守ろう」と題してトーワ計装・福井克美氏(政策委員長)と釧路鶴ヶ岱郵便局・森川浩一氏(企画委員長)が報告しました。

 はじめに同友会が制定運動を進めている中小企業振興基本条例について福井氏が報告し「2004年に政策委員会に参加してから条例について勉強し始めたが、その頃は今と違って市の担当者の認識も低かった」と述べ、制定までの経緯が紹介されました。また条例の制定後は「先駆的な自治体では域内の経済循環データを蓄積している。域内循環を高めるためにはまずその地域を知らなければならない。具体的な施策を議論する円卓会議ネットワークも始動した今、企業も自社の経営指針を常に見直して自分の足元を見つめるべきだ」と釧路地域の発展へ向けた自治体、企業、住民のスタンスに言及しました。

 続いて中小企業憲章について報告した森川氏は「条例が制定された今、憲章がなぜ必要なのか我々一人ひとりが理解しなければならない。まずは同友会の会員が中心となって地域を盛り立てていかなければならない」と述べました。さらに「釧路で育った子供たちが域外の学校を卒業し、釧路へ戻って就職を希望しても受け入れる先がないのが現状だ。中小企業が発展して雇用を生むことが地域の発展、国の発展につながっていく。憲章は国の原動力だ」と訴えました。

 質疑応答では「地域の中で出来ることを知らずに他地域へ依存してしまっていることは多いはず。地域を知る取り組みを始めるべき」、「今やらなければ釧路を蘇生させられないという思いで活動するべき」など活発な意見が交換されました。

▼「条例は企業にとっての経営理念と同じ。一人ひとりの理解が大切」と福井政策委員長 

▼「子や孫たちに釧路での幸せな暮らしを残すために条例の有効利用と憲章の早期実現を」と森川企画委員長

ミクロ経済学を学ぶ 幹部大学同窓会


 釧路支部幹部大学同窓会11月13日に公開講座「経済学のイロハ」第2講を開催し、第1講に引続き釧路公立大学の神野照敏准教授が講義を行いました。

 今回の講義では19世紀後半に登場したミクロ経済学を取り上げました。神野氏はそれ以前の主流派だったアダム・スミスを中心とする古典派経済学が、労働者階級の貧困などの現実の経済問題に対応できなかったことに触れ、「1890年に『経済学原理』を発表したマーシャルは、労働者階級の貧困を救うために稀少な資源の配分を目指した。供給側が商品の価格を決めているというそれまでの定説を見直し、需要側と供給側が相互に価格決定に影響しているとした」とミクロ経済学が誕生した背景を語りました。

 第3講『マクロ経済学』は、11月20日(金)18:30〜20:00 まなぼっとで開催します。

★当日の資料をダウンロードできます。(PDF)
http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=2&lid=186

 


▲ミクロ経済学とマーシャルについて講義をする神野准教授

酪農郷元気セミナーを開催 南しれとこ支部11月例会


 南しれとこ支部(金曽義昭支部長)はこのたび酪農郷セミナーを開き、『農業にかける夢 伊賀の里で花開く』と題して、三重同友会会員でモクモク手づくりファームの吉田修専務理事が講演しました。同社は美味しさと安全の両立をテーマに、手づくりにこだわり続け、現在は日本一の観光型農園として全国から多くの人が訪れています。

 吉田氏は21年前に同社を立ち上げました。「我々の原点は地元の原料から製品をつくりあげ、販売する。つまり自分たちで価格を決定するシステムを構築することだ。従来のシステムではなく、商品価格決定権を自分たちが持つために集客施設をつくりあげた。それがモクモク手づくりファームだ。」と述べました。
 さらに同氏は、創業当初は地元の原料を使った商品であってもなかなか消費者には伝わらなかったとし、「事業を拡大し、企業を継続させるためには利益が必要だ。しかし、利益をあげることは手段であって最終目的ではない。商品を生産し販売するというだけではなく、消費者に応援したい企業だと思ってもらえるような組織をつくりあげることが重要だ」と強調しました。

 

▼吉田修氏

 

幹部大学同窓会公開講座「経済学のイロハ」第1講


 釧路支部幹部大学同窓会は11月6日、公開講座を開催し、「経済学のイロハ」と題して釧路公立大学准教授の神野照敏氏が講演しました。

 第1講は「経済学説史」。アダム・スミスからD・リカードまでの古典派経済学の概要について神野准教授は「スミスは貿易を重視した重商主義を否定し、生産力を増強することで国が豊かになるという考え方はスミス革命とも呼ばれている」と述べました。

 スミスは産業革命時代のイギリスにおける重商主義に懐疑的でした。スミスが著した「国富論」は現在でいうところの域内循環を重視した経済活動を説いたものであり、今後の釧路地域経済を考える上で一つのヒントを与える、意義のある講演でした。

 この講座は全4講開催され、今後は11月13日「ミクロ経済学」、20日「マクロ経済学」、27日「地域経済」をテーマとしてまなぼっとで行います。
時間は18時30分〜20時まで。詳しくは事務局までお問い合わせください。

▼「スミスの論理は以後の経済学者が生産を重視するきっかけとなった」と神野准教授

第1回 別海町中小企業振興協議会開催


 南しれとこ支部別海地区会(寺井範男会長・63社)は10月30日、交流館ぷらとで中小企業振興会議を別海町役場、別海町商工会を交えて開催しました。

冒頭、別海町産業振興部の飯島部長が挨拶し「事業者と行政が熱い思いをぶつけあい、中身の濃い議論が展開され、町へ提言として結実することに期待している」と述べました。同町商工会の橋本会長も「全国の町村に先駆けて条例が制定された別海町を元気にするために町の指針策定に協力していきたい」と意欲を見せました。
 
 出席者の自己紹介に続いて別海地区会の山口幹事長が中小企業振興基本条例制定までの流れと、同友会が国に働きかけている中小企業憲章の中身を改めて説明しました。

▼経済の重要なポジションを担う中小企業を中心とした地域振興策が話し合われます。

 討論ではデータに裏打ちされた具体的振興策を作る重要性や、町職員がフィールドワークを行って実情に即した指針の策定に努めることなどが確認されました。

 別海地区会の寺井会長は「制定から半年でようやく本格的な条例運用が動き出す。条例を本当に生きたものにするためにしっかりとした肉付け作業を行っていきたい」と語り、行政と連携した地域振興への熱い思いを語りました。

釧路支部 10月例会「会社をつぶさないために、手を打つべきこと」


 釧路支部(亀岡孝支部長・472社)は10月28日、10月例会を釧路キャッスルホテルで開催し、「会社をつぶさないために、手を打つべきこと」と題して釧路スチレン代表取締役の羽田野善光氏と丸坂釧路電工代表取締役の坂口裕二氏が報告しました。

 羽田野氏は他業種での経験を経て発泡スチロール容器製造販売の釧路スチレンに入社しました。入社後2年間は自身の勉強に費やしたそうですが、原油高による資材高騰を受けて自社の改革に着手。「従業員に商品の価値をしっかりと解ってもらうことが第一歩。当社では従業員全員が製造から配送まで携わる体制作りに取り組んでいる」と述べました。また自身の失敗談や魚函業界の現状について紹介がありました。

▼「釧路港に水揚げされる魚種にも注意している」と羽田野氏

 続く坂口氏の報告では父親から事業を継承してからの取り組みが紹介され「朝礼や会議はかしこまってしまい、意図がうまく伝わらない恐れがある。現場で経営者が生の声で問いかけ、現場の意見を受け取ることに重点を置いている。率先して現場に出ることで自社の状態を客観的に把握するようにしている」と述べました。短期的には現場へ赴き情熱的に仕事をこなし、長期的には自社の姿を冷静に見極めて行動するというメリハリをつけた経営方針が感じられる報告でした。

▼「経営には常に臆病さを持って臨んでいる」と坂口氏

二氏の報告の後「会社を潰さないために、見失ってはいけないものは何か?」と題したグループ討論では自社の課題などを率直に述べあい、それぞれの対処法などを紹介することで時代に即した話題での学び合いがありました。

第1回中小企業円卓会議を開催 中小企業基本条例で故郷を守ろう


 釧路支部(亀岡孝支部長・472社)は10月29日、第1回中小企業円卓会議をホテルマーシュランドで開き、釧路市役所商業労政課の高木享課長、釧路公立大学の下山朗准教授を交えて今後の進め方を検討しました。

 会議では座長の同友会・福井克美政策委員長が「4月の中小企業基本条例施行を受けて、市役所と企業経営者が一体となって具体策を提言する目的で円卓会議が発足した。釧路市内の経済活性化のために様々な議論を行いたい」と述べました。

▼地域経済活性のために様々な話題が出ました。

 市役所の高木課長は釧路市が提案する円卓会議ネットワークシステムについて解説し、若年者の自立支援のための円卓会議や市職員と市民が協働で施策を研究するための円卓会議が紹介されました。高木課長は「市職員が地域住民や企業経営者と直接議論する良い機会。職員の研鑽の場としても活用したい」と期待を寄せました。

 また公立大の下山准教授はこれまでの地域経済調査の経緯から「従業員の質、意識の向上が今後は重要。釧路地域の中小企業は自身が持つ強みと弱みを理解して発展のきっかけを掴んでほしい」と述べました。

 討論では基幹産業振興の必要性や、同友会が国に求めている中小企業憲章の中身を広く国民に知ってもらう必要性等が議論されました。

中小企業振興条例の制定へ向けて実践例を学ぶ 釧根4地区合同例会


 北海道中小企業家同友会は10月23日、釧根4地区会合同例会を別海町交流館ぷらとで開催し、「中小企業憲章と中小企業振興基本条例とはなにか」と題して別海地区会(寺井範男会長・63社)幹事長の山口寿氏が講演しました。

 山口氏は中小企業憲章に触れ「我が国は中小企業が事業所の99%、雇用の80%、生産高の約半分を担っている。経済の基盤である中小企業を振興することが重要であるという考えのもと、同友会は憲章の制定と中小企業担当大臣の設置を求めていく」と述べました。

▼「中小企業の活動のバックボーンとして条例は必要」と語る山口氏

 続いて山口氏は2009年4月に別海町で施行された中小企業振興基本条例の制定運動について報告し「別海町は酪農と漁業の第1次産業の町だが事業所当たりの雇用数は第2次・3次産業が第1次産業の2倍を擁している。それに対して町の歳出予算比は農水費に対して5%程しか商工費に割り当てられていない。このような状況の中で中小企業と第1次産業が同様に地域経済で重要な役割を果たしていることを明文化し、地域経済振興に町全体が協力し合う体制を作るために条例制定運動が始まった」と述べました。
 運動開始から約2年というスピード制定についても山口氏は「分析や具体的な方策の決定はもちろん大事だが、まずは理念をしっかりと条例化することを優先した。基礎を固めることで具体策を練る際にも道筋がはっきりする」と述べました。

 講演後、別海町としての取り組みについて町担当者から説明があり「担当者の異動などで施策が頓挫したりすることのないような持続可能な方策を作らなければならない」という考えを示しました。また条例の運用について中小企業振興の指針策定にあたって事業者と町職員が協力して提言を行う「別海町中小企業振興協議会」の設立も発表され「町職員の政策立案能力や意識の向上を図り、地元に即した施策を行いたい」と述べました。

 今回の例会では同じく条例制定運動を進める白糠町、弟子屈町の町職員も参加し、制定へ向けて更に弾みがついた会合となりました。

地域に根ざした農商工連携の実践


 北海道中小企業家同友会・産学官連携委員会は10月16日、同友会釧路支部と合同で「新規就農あいつぐ酪農郷の現場」をテーマに浜中町移動委員会を開催し、浜中町農業協同組合とタカナシ乳業を訪ねました。

▼挨拶する土屋産官学連携委員会委員長

 浜中町農協では石橋組合長、高橋参事から「浜中町での酪農の歴史は50年余り。30年前までの浜中町産生乳は決して高品質ではなかった。タカナシ乳業が昭和57年に参入してから『感覚での酪農』から『分析に基づいた酪農』へと変化した。品質と安全性を追求した酪農を目指し、チェック構造の確立や、酪農ヘルパーの採用などにも力を入れている」と報告がありました。

 浜中町農協では新規就農者の育成にも力を注いでおり、「直接面談して納得いくまで時間をかけて吟味する。憧れと実情のギャップも十分に説明して、これはと思った人物を迎える」と石橋組合長。現在まで26戸の新規就農世帯が誕生しています。

 酪農技術センターでは各農家から集めたサンプルの分析の様子やトレーサビリティ(個体識別番号などの情報提供)の先進的な技術を見学しました。

▼浜中町農協が取り組む酪農を紹介する石橋組合長

▼検査の様子を見学する参加者

 続いて100%浜中町産の生乳を使って「ハーゲンダッツ」などの人気アイスクリームを製造するタカナシ乳業の北海道工場を訪問。原料加工の工程の説明の後、工場内を見学し、一般に流通していない無塩バターなどを試食しました。

▼タカナシ乳業北海道工場内部を見学する参加者

 昼食を交えての石橋組合長との懇談では人材育成や土壌、牧草などにも質問があり、地域に根を下ろした農商工連携の一端に触れた移動委員会となりました。