釧路支部幹部大学同窓会は11月20日に経済学のイロハ第3講を開講し、釧路公立大学の神野准教授がマクロ経済学について講演しました。
第2講で学んだミクロ経済学が発展した19世紀末は、産業革命によって生産力が増加し、社会が豊かになっていく時代でした。それゆえ政府の経済への介入は最小限に抑えられ、個人の自由な経済活動が最大限に進められました。しかし、政府の経済不介入によって貧富の格差が拡大し、また1929年からの世界大恐慌によって失業率が25パーセントに達し、非常に不安定な社会でした。
神野准教授は講義の中でマクロ経済学が生まれた背景について「マクロ経済学を唱えたケインズは、それまでのミクロ経済学における労働者と雇用側の行動分析に誤りがあると主張した。ミクロ経済学の世界では労働者が賃金の高低で働く時間を決めることができるが、それでは恐慌で無職になった人は賃金が安いから働かない、と自発的に失業していることになる。ケインズは、労働者は賃金と労働時間を決めることができないとの前提から、社会全体の雇用量を増やすためには社会全体の有効需要を増加させる必要があるとした」と説明し、さらに「ケインズは社会の安定と個人の自由のために、政府が経済に介入すべきと主張した。この考えは新自由主義と呼ばれている」と語りました。
経済学のイロハ最終講は11月27日(金) 18;30〜20:00 まなぼっと601で開催されます。