一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

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社長の仕事は後継者づくり 釧路支部12月例会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は支部12月例会を7日に開催し、南しれとこ支部の副支部長で、みどり建工の取締役経営企画室長の山崎宏氏が「社長の仕事は後継者づくり」をテーマに報告しました。

 同友会の考え方を基礎にしながら、丁寧に事業承継に取り組んで来た山崎氏。別海地区会の「経営指針研究会」では、「人を生かす経営〜労使関係の見解〜」を学んだほか、ソフトを使った経営力診断や「企業変革推進プログラム」などを実践しました。経営指針を社員と共有するために、経営者の「本気」を伝え、社員の声を丹念に聞く事にも努めたそうです。「会社への不満などを言えてホッとしたのか、その後の会議は和やかに進むようになった」と述べました。
 
 最後に山崎氏は「社長がどうしてもやらなければならないのは、社員に希望や生きがいを持って働いてもらい、次の人にタスキを渡すことです」と語りました。企業を長い間存続するためには、いかなる環境にも適応できる人間を育てなければなりません。若い社員にも積極的に発言してもらえる社風づくり、企業の問題点をしっかり議論をする雰囲気づくり、地域活動への参加の奨励などの取り組みにも触れました。

▼「次の人にタスキを渡すことが大事」と語る山崎氏

地域経済と財政を学ぶ 経済ゼミナール第4講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は30日、経済ゼミナール第4講を開催し、釧路公立大学の下山准教授が「地域経済と財政」と題して報告しました。

 下山氏は、釧路市が抱える課題について「道内の人口減少が進むなかで、20代前半の人口減少が著しく目立つのが釧路市の特徴だ。就職先がないために市外へ流出することが大きな要因だが、企業努力だけでは解決できない複雑な背景がある」と述べました。また、釧路市の財政と企業の関わりについて「サービス業や農業法人が新たに開業される一方、建設業や卸売業の廃業が目立つ。これは、財政の圧迫により公共事業への投資額が減少しているためだ」とし、「全国の地方自治体は、生活保護費による支出が増加傾向にあるが、釧路市はその割合が高い」と様々な統計をもとに釧路市の現状を報告しました。

 最後に「若者が意欲的に働き、希望を持てる環境を作らなければならない。釧路市では経営者の高齢化が進んでおり、人材育成と事業継承による企業の存続が課題だ。雇用の確保、新規事業の創造など、若い経営者の活躍に期待したい」と締め括りました。

▼地域経済が専門の下山准教授

▼勉強会の様子

幹部大学同窓会 11月例会を開催


 釧路支部幹部大学同窓会(岸本真希人会長)は29日、11月例会を開催しました。第18期修了生のエイチ・シー・シー色木繁氏が「私と私の会社のあゆみ」と題して報告しました。

 色木氏は「母校が進学校だったため、就職の道を歩んだのはクラスで私一人だった。様々な求人のなかで『マシンオペレータ』という文字に興味を抱き、IT業界に就職した」と勤続23年目を迎える会社との出会いについて紹介しました。また、IT業界の現状に触れ「地域の計算センターとして1963年に設立された当社も、IT技術の進歩に伴い、サービスが目まぐるしく移り変わっていった。現代は、5年経過すれば市場が一新されるほど、刻一刻と変化している」と、時代に合わせた自社のサービスについて説明しました。

 最後に今後の目標を挙げ「コンピュータシステムの業務負担軽減に留まらず、システムの構築からお手伝いし、顧客企業の業績を伸ばせるエンジニアを目指したい。コンピュータシステムという機械が商売道具だが、最後は人の温かみが大切になるのでは」と締めくくりました。

▼自身の生い立ちも語った色木氏

弟子屈高校教員との懇談会を開催 摩周地区会11月例会


 摩周地区会(竹森英彦会長)は25日に地区例会を開催し、「進路指導の中で企業が協力できることは」と題して弟子屈高校教員との懇談会を行いました。摩周地区会では、これまで弟子屈高校の生徒に対して面接指導や講演会を実施してきました。今回は、新たな試みとして意見交換を目的として開催されました。

 懇談会では、「就業体験の意図を明確にすることで、より良い体験を提供できるのでは」という声が挙がり、学校側からは「面接指導をさらに強化してほしい」と要望がありました。意見交換のなかで、「企業人と接することで、生徒の仕事に対する責任感が芽生える」として、双方の連携が進路指導に欠かせないことが再確認されました。また、企業情報を生徒へ周知する手段として、「生徒が企業へインタビューし、レポートを作成することで、仕事への理解が深まるのでは」「企業側から就業体験用のレジュメを配布し、提供する情報を増やしたい」などの意見が挙げられました。

 最後に挨拶した弟子屈高校の宮嶋衛次校長は「本音で意見を出し合える関係を構築したい。今後も連携をとりながら、地域一体となった進路指導にご協力いただきたい」と締め括りました。

▼熱心に議論が交わされた懇談会の様子

助け合い、協力し合えるまちづくりを目指して 釧路支部11月例会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は24日に11月例会を開催しました。講師は釧路市役所総務部総務課防災危機管理担当主管の佐々木信裕氏が務め「津波に備える〜その時どうする、どこへ逃げる〜」と題し、釧路の災害史や津波が来襲した際の適切な避難方法について講演しました。

 佐々木氏は「釧路市は毎年のように震度4以上の地震が発生しており、地震に対する十分な備えが必要だ。また、過去幾度となく陸上まで浸水する津波が発生しており、海や川の近くでは必ず避難が必要となる。この経験から、事前に自宅や会社の場所が、どのような災害リスクを背負っているか知っておくべきだ」と過去に発生した主な災害を例に挙げ、安全な避難方法を学ぶことの重要性を解説しました。また佐々木氏は「釧路市は全国的にも数少ない2m以上の津波を想定したハザードマップを作成している。万が一大津波警報が発動された際は、ハザードマップを活用して速やかに避難して欲しい」と釧路市の防災体制についても説明しました。

 最後に、「釧路市は昔から様々な災害に見舞われてきた。今一度、自分が住んでいる地域の特性をよく確認し、いざという時は協力し、慌てずに落ち着いた避難を心がけてほしい」と参加者に強く訴えかけました。

▼防災について語る佐々木氏

釧路発の新商品に期待 クシロビジネス(k-Biz)相談会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は19日、今年度4回目となるクシロビジネス(k-Biz)相談会を開催しました。新商品の方向性や販路拡大、経営戦略など7件の相談が寄せられ、静岡県の富士市産業支援センター(f-Biz)センター長の小出宗昭氏がアドバイスを行いました。クシロビジネス(k-Biz)相談会では、2009年に施行された「釧路市中小企業基本条例」の精神にのっとって新規創業や域外連携を目指す企業を支援しています。

▼様々な事例を挙げながらアドバイスをする小出氏

 小出氏は、相談が多く寄せられた新商品の販路拡大について「情報が多い現代でも、明確な特徴と購入する理由付けがある商品は売れている」と様々な事例を紹介し、「使うシーンを連想させることが重要だ。誰が、どこで、どのように使用するのか連想できるパッケージ、ネーミングによって、商品価値が消費者に伝わる」と相談者にアドバイスしました。

 また、相談会の中で商品を売り込むポイントを2点紹介しました。1点目は、単なる売り込みではなく、ストーリー性を持たせてメディアに売り込むことです。「ストーリーの主役で注目度が変わるように、取り組む中心人物が誰かによって、メディアの取り上げ方も異なる」と説明しました。2点目は、地域限定商品やコラボ商品など、わかりやすい連携を連続的、継続的に行うことです。「小さな連携も、継続することで認知度が広まり定着し、やがて大きな連携となる。人の輪が広がることで注目度はますます高くなる」と、売れる仕組みづくりの重要性を訴えました。

  相談会の総括として「釧路には熱心な経営者が多く、新たな可能性を持った案件がいくつもある。小さな連携や成功の芽が出始めており、今後はさらに大きなイノベーションに期待ができる。積極的に挑戦してほしい」と釧路の企業の可能性に期待を寄せました。

  クシロビジネス(k-Biz)は今後も隔月で相談会を開催します。開催予定は以下の通りです。
2012年1月28日(土)、3月24日(土)
相談会参加のお申し込みは同友会事務所までご連絡ください。

 

「お求めやすく」は正しい敬語? 釧路支部社員研修「話し方」講座


 釧路支部(亀岡孝支部長)は18日に「話し方」講座を開催し、会員企業の社員を中心に24名が受講しました。講師はNHK釧路放送局の中尾晃一郎氏が務め「相手に自分を正しく伝える方法」と題し、正しい敬語の使い方や電話対応について解説しました。
 
 中尾氏は「近頃の若い人を中心に、立場や状況に相応しくない間違った敬語の使い方をしているのが目に付く。また、普段から当たり前のように使用している言葉も、意図とは違った意味合いで相手に受け取られてしまうこともあるので注意が必要だ」と述べました。また中尾氏は「正しい敬語とは、相手を高めて敬意を表す『尊敬語』と、自分を低めて扱い、結果として相手を高める『謙譲語』を適切に使い分けること。敬語の失敗の大半は、尊敬語と謙譲語の誤った使い方によるものだ。行為の対象が自分か相手かによってそれぞれ注意深く使い分ける必要がある」と述べ、具体的な例や設問を交えながら解説しました。

 最後に、「敬語は気持ちが伴ってはじめて意味がある。まず相手を尊重する気持ちを持ち、それにふさわしい表現を発揮できるよう普段から心がけましょう」と参加者に訴えかけました。

▼気持ちを込めて言葉を伝える事が大切と語る中尾氏

▼中尾氏の解説に聞き入る参加者

経済学の歴史と発展を学ぶ 釧路支部経済ゼミナール第2・3講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は、11月9日、16日に経済ゼミナールを開催しました。全4講のうち、9日の第2講では「経済学説史」、16日の第3講では「経済原論」を釧路公立大学の神野照敏准教授が講演しました。

  第2講の経済学説史は、経済学の歴史を紐解く学問と説明し「生産性の向上と生産物の分配を課題に発展してきた経済学は、18世紀に大きな転換期を迎えた。これまでの物々交換よりも、生産物の収集、分配に最適な『市場』システムが登場し、人々の生活は著しく豊かになった」と、現代の経済基盤の成り立ち説明しました。さらに「当時主流だった、金や銀(貨幣)こそが富と考える重商主義を批判し、食糧や衣類などの生活品こそが人間の富だと考える経済学者アダム・スミスの登場によって、経済活動への考え方を革命的に転換させた時代でもあった」と述べ、18世紀から経済学が発展した背景を紹介しました。

 さらに、市場の発展により、様々な思想で商品価値が問われたことに触れ「物々交換経済において、商品は労働や生産費、需要、供給などで価値が決まるという議論が展開された。一方で、貨幣を重要視した貨幣的市場経済を唱えたケインズは、人対人の物流ではなく、社会全体を見るマクロの視点で経済活動を分析するマクロ経済学で今日の経済に影響を与えた」と説明しました。

 第3講の経済原論では、各国が生産能力の分だけ生産する絶対優位と、各国が生産性の高い分野ごとに分業で生産を行う比較優位の理論を紹介しました。「相互にメリット、デメリットはあるが、コスト削減のための海外進出は、結果的に労働者の低賃金や低保障、生活水準の低下につながる。削られた資金は外部が負担しなければいけないことを忘れてはならない」と延べ、グローバル社会が起こす弊害について訴えかけました。

 最後に「経済学はあくまで理論上の学問であり、ある一定の条件下でなければ理論は成立しない。しかし、世界中の産業予備軍との日本の労働者が競争をしなければいけないことは紛れもない事実で、今後の日本の大きな課題だ」と締めくくりました。

▼2講に亘り講義した神野准教授

▼熱心に聞き入る参加者の様子

  経済ゼミナール第4講は、11月30日(水)18:30より、釧路公立大学の下山朗准教授が「地域経済と財政」について講義します。

★参加お申し込みはこちらからどうぞ。
http://portal.doyu-kai.net/modules/eguide/event.php?eid=1776

釧路信用金庫の佐藤理事長と懇談会 


 釧路支部(亀岡孝支部長)は8日、釧路信用金庫と業務協力に関する覚書を締結したことを記念し、釧路信用金庫の佐藤優理事長と支部役員との懇談会を開催しました。

 「信用金庫の現場から見た地域経済」と題して報告した佐藤氏は「主力産業の漁業や、水産加工を中心とした製造業が衰退しており、釧路市の産業構造が変化している。その反面、高齢化によりグループホームが増設され、医療や福祉を含めたサービス業が増加している」と現状を報告しました。さらに「今後は、養殖漁業や加工技術の高度化による漁業関連業の安定化と、サービス業の雇用条件の向上が課題だ」指摘しました。

 また、金融機関の融資先が移行していることに触れ「最近は、農業や地方公共団体への融資も広がっている」と説明し、「東日本大震災でもっとも影響を受けた地元観光業は、東北の復興によりさらに厳しくなる見通しだ。釧路市も地元産業の活性化に尽力しなければいけない」と強く訴えかけました。

 最後に「地元企業の取り組みを正統に評価するためにも、この業務協力を通してCSR(企業の社会的責任)を知り、理解を深めたい。相互の情報交換を積極的に行おう」と締めくくりました。

▼報告する釧路信用金庫の佐藤理事長

▼懇談会の様子

生活保護の実態を知る 釧路支部経済ゼミナール第1講


 釧路支部(亀岡孝支部長)は、全4講で行われる経済ゼミナールを26日から開始しました。第1講のこの日は、社会保障をテーマに釧路公立大学教授の中囿桐代氏が報告しました。

 中囿氏は「生活保護受給者は全国で147万世帯、204万人を越えた。近年は、受給期間が長期化する傾向にある」と現状を報告し、その要因として「年金では生活できない高齢者世帯や、リーマンショック後の派遣切りなどで働き口がない男性の受給が増加している。年金問題や雇用情勢の悪化と強く関連している」と説明しました。また、支給額の50%を占めている、医療扶助や介護扶助について「高齢者の増加に伴い、医療、介護負担はさらに増加し、生活保護の財源確保が困難になる。医療費が高額であれば、病院に掛かれないケースも出てくるため、地域全体で改善するべきだ」と語りました。

 最後に、全国でも注目を集める釧路市の自立支援プログラムに触れ「日常生活、社会生活、就労と段階的に自立支援を行うのが特徴で、就業に意欲をもつ受給者が増えてきている。今後は、体験で終わらせず、生活に浸透させることが課題だ」と締め括りました。経済ゼミナール第2講は、11月9日(水)18:30より、釧路公立大学の神野照敏准教授が「経済学説史」について講義します。

★参加お申し込みはこちらからどうぞ。
http://portal.doyu-kai.net/modules/eguide/event.php?eid=1776

▼真剣な表情で報告を聞く参加者

摩周地区会 11月例会を開催


 摩周地区会(竹森英彦会長)は25日、地区例会を開催し長谷製菓専務の長谷浩一氏が経営体験報告を行いました。

 長谷製菓は1960年に弟子屈町で設立された老舗菓子メーカーでロングラン商品の「大鵬せんべい」をはじめ、「丹頂鶴の卵」など地元で愛される銘菓を製造しています。また、大手菓子メーカーのOEM製品も手がけ、幅広く経営を展開し町内の雇用の受け皿として活躍しています。

 26歳の長谷専務は大学進学後、埼玉県内の菓子メーカーでの修行を経て、後継者として同社に入社しました。「先々代が飴の行商からはじめ現在に至っている。一時期は自社製品とOEM製品との割合が半々までになったが、自社製品を軸にした経営の時と利益は変わらなかった。今後は紫蘇焼酎をはじめとした、各地の特色ある商品とのコラボレーションで自社製品の販売を強化していきたい」と意気込みを語りました。

★長谷製菓(株)のホームページはこちらからご覧下さい。
http://www.hase-seika.co.jp/

▼今後の展望を熱く語る長谷氏

▼長谷製菓が販売する商品

歴史を知り、語り継ごう! 釧路支部松浦武四郎講演会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は24日、探検家の松浦武四郎を知る講演会を開催しました。松浦武四郎生誕の地、三重県松阪市の松浦武四郎記念館の学芸委員山本命氏が「冒険家松浦武四郎と釧路」、さらに三重県の地域コーディネーター下村友惠氏が地域間交流の観点から「なぜ松阪牛はおいしいのか」と題して講演しました。

 松浦武四郎は1818年生まれ。16歳から日本全国を旅して、地図や民族などの記録を残した探検家として知られています。6度に亘り北海道を訪れ、詳しい北海道地図の作成と地名を考案し、北海道の名付け親として語り継がれています。

 山本氏は武四郎の生い立ちを紹介し「江戸時代に全国各地から参拝者が伊勢神宮を訪れる『おかげ参り』が行われ、武四郎は旅に興味を持った。武四郎に関する1,503点の資料すべてが、国の重要文化財に指定されている。松尾芭蕉、本居宣長とならび三重県を代表する偉人だ」と述べました。さらに、「151冊に及ぶ北海道の記録を残しており、自身の足で歩き、見てきた生の記録から学ぶことは多い。武四郎の功績を後世に伝えなければいけない」と語りました。

 続いて講演した下村氏は、100年以上前から伝わる松阪牛の美味しさについて報告し、「移動時は暑さを凌ぐため真夜中に牛を牽き、牛の足には手製のわらじが履かせ、大切に育てられてきた。今では同様に肥育された松阪牛は最高級品として評価されている」と紹介しました。また、個体識別管理システムの導入に触れ、「餌の量や肉質など、細かな管理が行えるようになったが、伝統的な肥育方法も忘れてはならない」と語り、その後は松阪牛の試食をしながら、柔らかな食感や独特の甘味を堪能しました。

 釧路支部は、今回の講演会をきっかけに松阪市とのつながりを深め、地域間交流を拡大していきます。

▼武四郎の生い立ちを語る山本氏

▼松阪牛の魅力を語る下村氏

▼貴重な講演に関心を寄せる参加者

★松浦武四郎記念館のホームページはこちらからご覧いただけます。
http://www.city.matsusaka.mie.jp/bunka/shisetsu/take_mu/take_kinenkan.html

青年よ夢を語れ! 全道青年部・後継者部会交流会in釧路


 10月21日に全道青年部・後継者部会交流会が釧路支部・みけた会の主管で開催され、全道から青年経営者や後継者約90名が参加しました。

 開会にあたり、全道青年部・後継者部会連絡会会長の西田宙文氏は「震災の影響を受けた東北や、近畿圏では情報共有によって地域間の絆がより強くなっている。多くの会員を有する北海道同友会青年部も、この機会につながりを強化して学び合おう」と挨拶しました。

記念講演では、浜中町農業共同組合の代表理事組合長の石橋榮紀氏が『浜中町農協の挑戦〜地域を支える人づくり〜』と題して報告しました。

 浜中町は冷涼な気候を活かして、酪農に特化している牛乳の生産で有名な町です。1978年まで量産体制だった牛乳にも、品質管理が重要視される時代になると感じた石橋氏は、日本で初となる酪農技術センターを建設。その結果、高品質で安定した生乳を実現し、大手乳業メーカーと提携、世界でも最高品質の牛乳として定着しました。また、「これからは絆の時代だ」と語った石橋氏は「経営の軸は人材育成だ。『教える』ではなく『育てる』ことが大切。人を育てることが経営者の仕事だ」と述べました。最後に「転原自在(責任は全て自分にある)の思考で果敢に挑戦し、信頼される経営者を目指そう」と強く呼びかけました。

 講演後に行われたグループ討論では「良い会社を作るために、自社にどのような戦略が必要か」をテーマに熱い議論が交わされ、「良い会社とは社員が誇りを持てる会社」「地域とともに人を育てることで社会貢献する」などの意見が挙げられました。

 会場を移動して行われた懇親会では、グループ討論を振り返って語り合う姿や、再会を懐かしむ姿が会場にあふれました。また、支部ごとの活動報告も行われ、全道青年部のさらなる結束を誓い親交を深め合いました。

▼開会挨拶をする西田氏

▼記念講演で語る石橋氏

▼講演会場の様子

▼熱い議論が交わされたグループ討論

★釧路新聞に掲載された報道記事はこちらからご覧下さい。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=1059

被災地の現状を語る 南しれとこ支部10月例会を開催


 南しれとこ支部(金曽義昭支部長)は10月例会を開催しました。「東北被災地の今」と題して、日下氏、栗山氏、中島氏が報告しました。
 日下氏は「全国総会で震災の分科会で田村代表理事の講演を聞いたことが、震災について真剣に考えるきっかけとなった。今回実際に中島氏と一緒に被災地に行き、悲惨な状況を目の当たりにしたが、現地の人々が地域が良くなるためには何でもするという姿勢に心を打たれた」語りました。中島氏は「実際に被災地を生で見て、悲惨な状況であることを改めて実感した。募金など色々と被災地のためにできることはあるが、まずは自分達がしっかりと働き、生活していくことが大切だ」と述べました。
 栗山氏は「震災が起こり、誰しも被災地のために何かをしたいと思ったはずだ。小児科医という仕事は子供の健康や発達を手助けすることなので、その面からフォローしたいと思い、被災地に行くことを決めた」と現地に行く経緯を述べました。実際の現地の子供の様子について「子供は非常に敏感で、大人が大変な思いをしていることを理解している。そのため、大人に気を使い本来の子供らしさを失っている。子供が子供らしく前向きに生きていくために、大人の手助けが必要だ。その手助けを現地の大人に任せるのは非常に酷なので、その代わりの役目を果たしたい」と語りました。

▼現地の人々の行動に心を打たれたと語る日下氏

▼日下氏と共に現地に入った中島氏

▼現地で子供のメンタルフォローをする栗山氏

視点を変えれば物は売れる! 釧路支部 藤村正宏氏講演会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は13日に釧路市中小企業基本条例施行2周年を記念して、フリーパレット集客施設研究所の藤村正宏氏を招き「中小企業の売り上げ拡大が震災復興につながる!」と題して釧路市民文化会館で講演会を開催し、350名が参加しました。

 藤村氏は釧路市出身で、現在は東京に拠点を置きながら、集客や売上拡大のコンサルタントとして活躍しています。藤村氏が提唱する「エクスペリエンス・マーケティング」は全国でも好評を得ています。 

  講演では「商品の選択肢が多い現代では、品質が良いというだけでは売れない。お客様が欲しいのは商品ではなく、商品を手にした結果得られる体験や豊かな生活だ。その商品を選ぶ理由、買う理由を明確に伝えるために『モノ』ではなく『体験』を売るという視点へ切り替えよう」と呼びかけ、商品を買うことによってその人の生活にどのような効果をもたらすかを伝える事の重要性を力説しました。

 また、自身が手掛けた広告を紹介し「販促物で効果を挙げるには『お客様は何に関心があるのか』が最も大切だ」と具体例を挙げて説明し、商品が選ばれる販促には、適切な伝え方があると述べました。そのほか店頭のPOP(ポップ)、商品のキャッチコピーで実例を挙げ、「商品の特徴を言葉で表すことも効果的だ。今後は伝え方を学ぶ必要がある」と語りました。

 最後に「これからはお客様とのつながりで売上を上げていく時代だ」と述べ、「似たような商品、サービスが混在する現代では、関係性のある人から商品を購入する。単なる『提案型営業』は通用しない。『人間関係を築く営業力』を磨こう。」と締めくくりました。

 14日は、藤村氏自身初となる同友会根室支部での講演が開催されます。

▼「視点を変えるのにコストはかからない」と語る藤村氏

▼緩急のある話に聞き入る参加者の様子

★藤村氏のブログ「エクスマ」
http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/

 

釧路製作所見学 釧路オンリーワン企業見学会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は5日、地元で特色ある技術を持った企業を見学する「釧路オンリーワン企業見学会」を開催しました。今回は釧路市で橋梁などの鋼構造物の製造を手がける釧路製作所の本社工場を見学し、金属製品の製造工程や新名(しんみょう)社長の経営に対する思いについて学びました。

 釧路製作所は1956年に雄別炭鉱の会社として創業。培われた技術力を生かしてIT活用による生産の効率化を図り、橋梁を主体に各種タンク、クレーン等の設計、製作、施工を行なっています。製品は道内をはじめ、遠くは四国にまで及び、有名な瀬戸大橋の橋梁を製造した唯一の道内企業としても知られています。

 冒頭で新名氏は「今年の8月に地域の出発点に戻ろうという想いから本社を釧路に移転した。今後は100年、200年と続く企業へと築き上げていきたい」と今後の展望について熱く語りました。

 工場内では、巨大な橋梁の製作工程や、鉄板の切断や切り抜き、溶接の様子を見学しました。橋梁は長さ100mにつき10mm以内の誤差しか許されないため、最終調整は熟練の職人が手作業で行なっていました。

 屋外では、実際に道内で建設中の橋梁の試験組立て現場を見学し、普段目にすることができない内部の様子や、橋の構造に込められた技術を学ぶことができました。

★(株)釧路製作所のホームページはこちらからご覧下さい。
http://kushiro-ses.co.jp/

▼「出発点に戻り地域社会に貢献していきたい」と新名社長

▼IT化が進み、一部の作業は自動化されている

▼熟練の職人が手作業で歪みを調整していく

▼かつて石炭輸送に活躍した雄別炭礦鉄道車両が保存されている

みどり建工山崎氏、事業承継を支部例会で語る


 同友会南しれとこ支部(金曽義昭支部長156社)は9月例会を27日に開き、みどり建工の山崎宏氏が「私はこれで社長をやめました」と題して事業承継の問題について報告しました。

 別海町出身の山崎氏は、釧路教育大学を経て神奈川県で中学校の美術教師に就き、1976年にみどり建工に入社しました。同友会の前身の「全日本中小企業協議会」が結成された1947年に生まれた山崎氏は、「同友会との因縁を感じる」と語り始めました。現在64歳の山崎氏は今年、16年間務めた社長職を社員に引き継ぎました。

 「社長の仕事で大切なことは、同友会の労使見解の精神に基づいて企業の使命や価値を社員に伝えることと、自分の後継者を育てることだ。私は40代の社員を後継者にし、自分は取締役経営企画室長として第一線から退いた」と自社の事業承継について触れました。

 最後に「人材不足を嘆くより同友会で社員を育てよう。確固とした経営指針に裏付けられた企業をつくろう」と締めくくりました。

▼事業承継について語る山崎氏

▼山崎氏の報告に耳を傾ける参加者

中小企業には人間ドラマがある 釧路支部9月例会


 釧路支部(亀岡孝支部長)は21日に9月例会を開催し、朝日新聞記者の中島隆氏が「『魂の中小企業』著者が語る経営者群像」と題して講演しました。

 中島氏は、記者として25年目を迎える今年4月に朝日新聞でただ一人の「中小企業専門記者」になりました。中小企業経営の真髄を世の中に伝える『魂の中小企業』を連載し、単行本としても出版されています。

 「マスコミにおける中小企業は弱いもの、いじめられるもの、問題を抱えるものという位置付けだったが、ある経営者との出会いが私の目を中小企業へ向けさせるきっかけになった。中小企業家の逃げない、挑戦する、会社と社員を守るという熱意に触れ、感銘を受けたことが今でも忘れられない」と中小企業専門記者になった理由を述べました。

 また、東日本大震災のあとも地域を根幹から支えている中小企業の実態を報告し、「被災地には、風評被害で大手が引き上げていく中で、店を再開させたクリーニング店や、工場がなくなっても地域の雇用は守るとの思いで事業を継続し、頑張っている部品工場もある」と述べ、中小企業と地域の絆を紹介しました。

 最後に「日本の企業の99%、労働者の80%は中小企業で働いている。その事実を発信していく必要がある。中小企業経営には人間ドラマがあり、覚悟と決意が込められている現場だ。これからも中小企業を応援していきたい」と締め括りました。

 ▼自ら中小企業専門記者となった中島氏

▼熱心に聞き入る参加者

新会員報告交流会を開催 釧路支部


 釧路支部(亀岡孝支部長)は20日に新会員報告交流会を開催し、司法書士・土地家屋調査士金田剛事務所所長の金田剛氏と東洋ビル開発社長の瀧波大亮氏が報告しました。

 司法書士、土地家屋調査士業を営む金田氏は「かつては飲食店で店長を経験し、その後不動産会社に勤務し日々忙しく過ごしていた。当時の若者の転職は報酬が良いため、不動産関係への転職が多かった」と独立前の様子を話しました。「不動産登記や商業登記などの登記関係の仕事を中心に、現場に出向いて測量の仕事も行っている」と司法書士と土地家屋調査士の仕事内容を説明しました。
 「市内で一番若い司法書士なので、フットワークを軽く、お客様とより親密な関係を築けるように取り組んでいる。また、この仕事はサービス業だという認識で毎日過ごしている」と語りました。

 市内でオリエンタルプラザなどの不動産を管理、運営する瀧波氏は「1999年に父親である社長の体調が悪くなり、釧路に戻ってきた。三年ほど父親と共に働き、その後社長に就任した。先代からの一番の財産は負債だ」と笑いながら話し「自分の性格は楽観的で、もしも遺産が残っていたら使い果たしていたかもしれない。父親がこの負債を残しくれたおかげで、慎重さや忍耐力が身についた」と語りました。
 最後に「これからもっとお客様や地域に還元したい。そして、いずれススキノで自らビルを手がけたい」と抱負を述べました。

★司法書士・土地家屋調査士金田剛事務所のホームページはこちらからご覧下さい。
http://kaneta.konjiki.jp/

▼市内で一番若い司法書士の金田氏

▼将来の展望を語る瀧波氏

エゾシカについて理解を深める 幹部大学同窓会8月例会


 釧路支部幹部大学同窓会(岸本真希人会長)は28日に8月例会を開催しました。今回は阿寒湖畔の森林を管理する前田一歩園財団を見学した後に釧路短期大学の岡本准教授が講演しました。午後から北泉開発の養鹿場と加工場を見学しました。
 前田一歩園財団ではエゾシカの生態やエゾシカを捕獲するに至った経緯について説明を受け、実際の生態捕獲の現場をスライドや見ながら学びました。その後、実際に使用される捕獲道具や餌となるビートパルプなどを説明を受けながら見学しました。
 その後、釧路短大の岡本氏が講演し「現代の日本人は脂質や食塩などが過剰に摂取され、カルシウムや鉄分、食物繊維が不足している。低脂質で鉄が豊富に含まれるエゾシカ肉が食卓に上がれば、少なからずこの問題は解決される。特に鉄に関して女性は推定平均必要量すら満たせていない。貧血予備軍が多い女性は積極的に摂取してもらいたい」とエゾシカ肉の効用を説明しました。
 午後からは北泉開発が管理する生け捕りにした野生のエゾシが成育する養鹿場と徹底した衛生管理がされている加工場を見学しました。

▼前田一歩園財団の事務所でエゾシカの生態を学ぶ参加者

▼捕獲に使用する餌などが入っている倉庫

▼北泉開発の養鹿場で成育するエゾシカ