一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

2月, 2010:

藤村正宏氏が講演 釧路支部公開講演会


 釧路支部は2月25日に釧路市民文化会館で公開講演会を開催し、フリーパレット集客施設研究所の藤村正宏氏が「商品を売るな!!体験を売れ!!」と題して講演し、350名が参加しました。

 藤村氏は釧路市出身で、大学卒業後、海外で映画製作の勉学等を経験し、帰国後フリーパレットを設立し、ウィンドーディスプレイの仕事に従事しました。これまで数々の集客施設のプランニングを手掛けており、「阿寒悠久の里鶴雅」のプランニングも行っています。藤村氏は「マーケティングは難しい印象を持たれがちだが、実は至極単純で、『どうすればお客様に選んでいただけるか』だけだ」と冒頭で説明しました。

 講演では、藤村氏がこれまで実践してきた事例を数多く紹介し、またその効果について詳しく説明を行い「お客さんはあなたが売っている商品を欲しがっているわけではない。その商品やサービスを買うことによって得られる効果・体験が欲しいのだ。お客さんが何を求めているかを把握し、お客さんに合わせたお店づくりを意識した瞬間から全てが変わってくる」と語りました。

 最後に藤村氏は「能力の有無や会社の大小に関わらず、行動するだけで他を圧倒することができる。経済にはまだまだ力がある。経済は『経世済民』(世を良くして人々を救う)という言葉からきており、ビジネスの本質もそこにある。我々が世の中を良くするという自負を持ち、楽しく仕事をすることで次の世代に希望を与えることができる。行動して、圧倒的に儲けて、皆さんに幸せになってほしい」と強調しました。


▲フリーパレット集客施設研究所 主宰 藤村 正宏氏


▲350人の聴衆で会場は賑わいました。


▲藤村氏の書籍に登場するジャズ喫茶をイメージしたコーヒーショップをオープン


▲藤村氏の書籍を求める人で賑わう販売コーナー

 

【藤村正宏氏 講演要旨】

★商品やサービスでどんな体験をお客さんに与えることができるか
例えば車を売る時、スペックをお客さんに伝えてもお客さんは買う気になれない。お客さんはその車で何ができるかが知りたいのだ。モノではなく体験、スペックではなく意味を売ろう。

★お店にいる時間も商品だ。お店の価値をお客さんに伝えよう。
看板やチラシに、提供している商品やメニュー、値段しか書いていないのではお客さんにお店の魅力が伝わらない。お店にいる時間やサービスも商品の一部。夜景が綺麗なお店ならそのことをお客さんに伝えよう。どこよりも安いのなら「どこよりも安い」とPRしよう。

★興味がないことは目に入らない!お客さんの関心を把握しよう。
ゴルフに興味がない人は、街の中にゴルフショップがあっても気づかない。チラシに大きく「サマーセール」などと入れても、お客さんの興味を引くことはできない。お客さんが関心を持っていることを把握し、魅力あるキャッチコピーを考えよう。

★POP(ポップ)使って商品を買う理由をお客さんに伝えよう
商品に値段をつけただけでは、お客さんは買う理由を見出せない。POPに商品を魅力を書き込み、「買う理由」を教えてあげよう。

★値段の高低は関係ない。商品の価値を伝えよう。
不景気だから安いものしか売れないと思ってはダメ。価値を伝えれば高くても売れる。安くすることはいつでもできる。まず価値の伝え方を工夫し、高い方を買う理由をしっかりお客さんに教えよう。

★お客さんはあなたの商品を欲しがっているわけではない!
お客さんは商品が欲しいのではなく、買うことによって得られる効果と体験が欲しいのだ。例えば、今話題の枕が売れている → お客さんは枕が欲しいわけではなく、快適な眠りを求めている → 健康な人生を送りたいから。そう考えることであなたのお店の全てが変わる。

★決断よりも行動
まず行動しよう。行動するだけで他を圧倒できる。商売で儲けて楽しく仕事をすることで、次の世代に希望を与えることができる。経済は「経世済民」(世の中を良くして人々を救う)という言葉から来ている。ビジネス・経済に携わる人間として、圧倒的に儲けて幸せになってほしい。幸せじゃない人に、人を幸せにする力はないから。

新会員が経営体験報告 根室支部2月例会


 根室支部(高岡一朗支部長・68社)は2月23日、イーストハーバーホテルで2月例会を開催しました。

 この日は「私の会社の歩み」と題して、新会員の方による経営体験報告が行われました。報告を行ったのは2009年8月入会の(株)平和はなや 社長の隅田諫氏と7月入会の石垣漁業(株) 専務の石垣浩一氏です。

 初めに報告を行った隅田氏は38年目を迎える葬祭業の経営を通して「数多くのご遺体を扱ってきたが、与えられた命は決して粗末にするべきではない。畳の上で一生を終えるのが一番」と述べました。また創業以前に勤務していた根室漁業でのエピソードなどを披露しました。

 次に報告した石垣氏は第88若潮丸等を操業する自社の経営を紹介し「現在のイカ釣り船は殆どが機械釣りで船上の人間はサイズ分けをして冷凍することが主な仕事。冷凍技術も従来の塊での冷凍のほかに『一本冷凍』と呼ばれる方法で付加価値を加える努力をしている」と報告しました。

★3月例会は16日(火)19時から開催し、根室共立病院長の杉木博幸氏、佐田石材の佐田裕之氏、ヤマイチ観光(有)の一島房雄氏が報告します。

▼(株)平和はなや 隅田諫氏

▼石垣漁業(株) 石垣浩一氏

取材を通して見える釧路 幹部大学同窓会2月例会


 釧路支部幹部大学同窓会は2月23日に例会を開き、NHK釧路放送局記者の木皮透庸氏が「報道記者から見た釧路」と題して講演しました。

 木皮氏は茨城県生まれ。進学や就職で東北・東京での生活を経験し、5年前に釧路に移住しました。NHK釧路放送局では放送部記者を務め、道東の最新情勢の取材に奔走しています。

 例会は木皮氏が実際に取材したニュースの録画を見ながら進められました。まず今年1月の地元スーパーの倒産に触れ「多くの地元スーパーが閉店を余儀なくされている。お年寄りの多い地区はもちろんだが、地元スーパーの閉店は地元の卸売業者にも大きな打撃を与えている。結果、釧路から卸売業者が撤退し、出張需要に応えるため北大通りにビジネスホテルが増加している」と現状を説明しました。

 また標津町で行われている健康ツアーのビデオを鑑賞し「標津町民の日常をそのままツアーの目玉としており、健康ツアー客や修学旅行生の取り込みに成功している。ないものねだりをするより、地域にあるものを探していくことが重要」とした上で、「これまでの釧路は漁業・炭鉱業・製紙業の3大基幹産業に支えられ、非常に恵まれていた。それらの産業が衰退した今、私たちの町釧路には何があるのか、立ち返って考えてみるべきだ」と強調しました。

 最後に木皮氏は「釧路には自然・文化・食などのイメージがあるが、それらを価値あるものにするために一番に取り組むべきは人材の育成だ。学校での教育を見直し、幼い内から地域のことをもっと学んでいくべきでは」と、釧路の可能性について語りました。


▲NHK釧路放送局 放送部記者 木皮 透庸氏

マルチメディア研究会が帯広支部と合同例会を開催


 釧路支部マルチメディア研究会と帯広支部IT総合研究会は2月20日に釧路市観光国際交流センターで合同例会を開催し、マルチメディア研究会副会長の斉藤和芳氏<丸中釧路中央青果(株)>が「OSSの活用事例〜企業から家庭まで使えるOSS〜」と題して記念報告を行いました。

 斉藤氏はまず自身の経歴とOSS(Open Source Software)の概要について「OSSとは、ソースコード、つまりソフトの設計図にあたるものが公開されているソフトであり、自由な使用と導入費用がかからない事が大きな特徴だ」と説明しました。その後、実際にOSSを使用している企業と地方自治体を紹介し、「会津若松市は官公庁の公式文書の作成にOSSを用いており、ソフトの導入費用を抑えている。導入は地元企業と協力して行っている。また大舘市は市役所にOSSの電話交換ソフトを採用し、大幅な経費削減を達成した」と語り、さらに「OSSは無料で手に入れることができるが、初期費用がかからないだけで、維持には相応のコストがかかる。重要なのは、大手メーカーの既成ソフトを当たり前のように使っているが、OSSのようなソフトを選ぶ自由が我々にはあるということだ」と強調しました。

 その後、マルチメディア研究会の佐々木氏と、IT総合研究会の小野寺氏がそれぞれ活動報告を行い、両支部の活動内容を深く学びあいました。


▲報告を行ったマルチメディア研究会 副会長 斉藤 和芳氏

幹部大学第6講を開講


釧路支部は2月19日に幹部大学第6講を開催し、北海道中小企業家同友会の細川専務理事が『経済情勢と中小企業の果たす役割』をテーマに講義を行いました。

 細川氏は北海道経済の展望に触れ、中小企業が果たす役割や強み、地域の連携を産み出すネットワーク力、コーディネート力について、身近な企業の挑戦事例を元に解説をしました。

 その後、各グループに分かれ、「各グループ内の企業連携の可能性」と「社内に共育関係を築くための私の役割」の2つのテーマに沿ってグループ討論を行い、異業種間での意見交換を活発に行いました。最後に経済新聞で取り上げられた企業の話を例に挙げ、「原点に帰って、自分の育った環境を良く知り、業界、自社、自分の強みを再確認してもらいたい。そして、本当に良いものは何なのかを理解してもらいたい」と語りました。

釧路支部・木内幹事長が報告 厚岸地区会2月例会 


 釧路支部厚岸地区会(中村一明会長・41社)は2月17日(水)、2月例会をホテル五味で開催し18名が参加しました。

 この日は釧路支部幹事長の木内敏子氏が自身の経営体験を報告し「人との出会いに恵まれてここまで来ることができた。北海道にダスキンが出来て40周年を迎える。ダスキン釧路西支店は私が社長に就任して10年が経つ。今後は清掃に洗剤をなるべく使わず電解水を使用する等、環境に配慮した企業活動を行っていきたい」と述べました。参加者からは仕入れの仕組みについてなどの質問が出されました。

 例会に続いて行われた懇親会では厚岸地区会が2011年春の施行を目指す「厚岸町中小企業振興基本条例(仮)」について活発な意見交換がされるなど、厚岸町での同友会活動の躍進が期待されます。

▼「お客様の立場に立った営業を行っていきたい」と語る木内氏

同友会が進める条例制定運動に関する資料はこちらからダウンロードできます。
http://www.doyu.jp/kensyou/regula/index.html

美化財団・藤江氏が報告 摩周地区会2月例会


 摩周地区会(近藤明会長:18社)は2月18日、自然公園美化財団川湯支部主任の藤江晋氏を講師に迎えて2月例会を開催しました。

 「てしかが自然史」と題して講演した藤江氏は摩周湖での透明度調査などの活動を報告し、「今までは漠然と季節によって透明度が異なることは分かっていたが、近年はなぜ変化するのかを科学的に分析することによってメカニズムが解明されてきている」とデータをもとに説明しました。また自然公園美化財団の活動にも触れ「駐車場の利用料などを国立公園の維持管理費に充てている。環境との繋がりを持つことで地元の人々にももっと国立公園の素晴らしさを知ってもらいたい」と述べました。
 「本来は地域にすむ人々が一番知っているはずのことが忘れられてきている。地元の宝は地元の住民が磨くべきだ」など参加者からも積極的な意見が聞かれました。

▼自然公園美化財団川湯支部の藤江晋氏

★摩周地区会が行っている弟子屈高校での面接指導の様子が北海道新聞に紹介されました。
 記事の内容はこちらからご確認ください。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=712

釧路支部で経営指針成文化セミナーを開催


 釧路支部は2月2日、9日、16日の3回にわたって経営指針成文化セミナーを開催し、ファーストコンサルティングの乗山社長とラコンテの松井社長がアドバイザーを務めました。

 第1講では実践報告を行い、あんずカンパニーの須藤社長が自社の経営指針作成までの流れを報告。「あんずカンパニーの経営指針は3回にわたって改訂している。改める度に文章は短くシンプルになっていった」と語りました。続いて道東暖熱工業所の大久保社長が中・長期の経営戦略の重要性について語り、さらに「納得のいく経営指針ができるまで何度も作り直した。作って会社の飾りにするのではなく、社長と社員が気持ちを共有できる内容にすることが重要」と語りました。

 その後、参加者が経営指針作成のソフトを用いて自社の経営状況を分析し、経営指針作成に必要なデータをまとめました。乗山氏と松井氏は参加者をサポートし、2講目と3講目で経営指針を作成しました。

 最後に参加者は完成した経営指針と3年後の数値目標を発表し、それぞれに乗山氏がアドバイスを行いました。

 参加者からは「今回経営指針を作って社長に見せてみたが、自分と社長の会社に対する思いが同じだったことがわかった。今後社員に発表したい」、「将来会社を継ぐにあたって、非常によい勉強になった。今後も様々な勉強会に参加し、自分を高めていきたい」などの感想が寄せられました。

 

★同友会では経営指針の成文化をお勧めしております。
 書籍もご用意しておりますので、お問い合わせください。
 +++++++++++++++++++++++++++++++++++
  ■書籍名:「経営指針作成の手引き」
 ■編集発行:中小企業家同友会全国協議会
 ■頒価:400円(税込)

 ■詳しくは同友会釧根事務所までお問い合わせください。
  TEL:0154−31−0923

 

京都全研に1800名 石橋氏報告 


 中同協は2月10日11日の両日、中小企業問題全国研究集会を京都国際会館で開き、全国から1800名の会員経営者が集まりました。釧根三支部からも15名が参加し、浜中農協の石橋榮紀組合長が分科会で報告しました。浜中農協はハーゲンダッツアイスクリームやカルピスの原料を供給するなど良質な牛乳を生産しています。釧路支部副支部長として地域づくりに積極的に関わっている石橋氏は、「豊かで活力ある地域づくりは農協の重要な役割だ。農業という産業を活性化することで農村に人が戻り、地域経済が活性化する」と地域の企業と共同でつくった農業生産法人の概要などを語りました。来年の全研は3月に岡山県で開催されます。

▼分科会で報告する石橋氏

▼分科会

 

▼銀閣寺

▼銀閣寺

▼銀閣寺

▼1800名が参加した懇親会

▼懇親会

▼懇親会

 

「私」という存在を探る 幹部大学第5講


 釧路支部は2月12日に幹部大学第5講を開催し、釧路公立大学の高野敏行教授が「私とは何か?」をテーマに講義を行いました。

 高野氏は「私らしさ」と「私」の違いについて触れ、「『私らしさ』とは精神分析や心理学、社会学等で扱われる分野で、アイデンティティとも言われる。一方、『私』は『私らしさ』よりさらに深い部分であり、高名な哲学者たちは『魂』や『本当の私』、『良心の声』、『超自我』などと表現した。すべての肩書きを取り去り、最後に残ったものが『私』という存在だ」と解説しました。

 さらに精神科医の中井久夫氏の著作『樹をみつめて』の一部を引用し、アイデンティティと生き甲斐について「市場原理主義経済が発展し、アイデンティティや生き甲斐よりも能力や資格が優先される時代になってきている」と語り、さらに「『私』を追求する哲学のような学問も一見意味がないように見えるが、自分の幅を広げ高く成長するためには重要な事だと思う。哲学や映画、ドキュメンタリーなどに多く触れ、常に自分を揺り動かして柔軟な考え方を持ってほしい」と語りました。


釧路公立大学 教授 高野 敏行氏

「坊ちゃん」を読み解く 釧路支部幹部大学


 釧路支部は2月5日に幹部大学第4講を開き、釧路工業高等専門学校の小田島教授が「タテマエとホンネ〜夏目漱石『坊ちゃん』を通して〜』と題して講義を行いました。

 小田島氏はまず著者である夏目漱石の経歴について触れ、「『坊ちゃん』は夏目漱石の教師時代の経験が反映されている。登場人物は漱石の同僚をモデルにしていると言われており、さらに登場人物の一人である赤シャツは漱石自身を投影したものと思われる」と名作が生まれた背景を語りました。

 その後、受講生が小説の一部を輪読し、物語を深く読み解いていきました。小田島氏は「主人公の呼び名である『坊ちゃん』には二つの意味がある。ひとつは世間知らずで未成熟な坊ちゃん、そしてもう一つは下女の清が主人公を呼ぶ時の坊ちゃんだ。主人公の語りはまさしくこの清への語りかけであり、『坊ちゃん』は田舎の学校で人のいやらしさを実感し、反対に『教育のない婆さん』に過ぎなかった清の美しさを再発見する物語と言える」と解説しました。

 
釧路工業高等専門学校 教授 小田島 本有氏

医良同友交流会に55名が参加 別海地区会


 同友会・別海地区会が中心となって発足した「別海町医療サポート隊 医良同友(いいどうゆう)」(寺井範男会長・303名)は1月30日、厳冬期の健康づくりと会員間の交流を目的として「氷上ワカサギ釣り&スノーモービル体験」を別海町茨散沼(ばらさんとう)で開催しました。
 厳しい冷え込みとなったにもかかわらず55名が参加し、会員有志の提供による豚汁、お汁粉、甘酒、トバ、おにぎり、ワカサギ天ぷらが振る舞われ、参加者は白い息を吐きながら料理に舌鼓を打ちました。
 挨拶に立った町立別海病院の西村院長は「このような機会を設けて頂き大変感謝している。別海町に住んでしばらく経つがワカサギ釣りは初体験だ。スノーモービルにも是非挑戦したい」と述べました。
 ベテランの釣り愛好家の手ほどきを受けた参加者は釣り挙げた活きの良いワカサギに歓声をあげていました。またスノーモービル体験でも熟練者が親子連れに同乗して湖畔を走行する等、歓声の絶えない交流会になりました。

▼「別海の冬を是非堪能してほしい」と挨拶する寺井会長

▼挨拶する水沼町長

▼「永く別海に住んでいるがワカサギ釣りは初めて」山口医良同友事務局長

▼「昨夜は楽しみで眠れなかった」と話す西村院長

▼会員有志の手による温かい料理が並びました

▼会員有志によるスノーモービル体験風景

▼10センチほどもある茨散沼のワカサギ

日本の歴史を紐解く 幹部大学第3講


 釧路支部は1月29日に幹部大学第3講を開催し、釧路公立大学の高嶋弘志教授が「歴史は繰り返す〜過去から学ぶもの〜」と題して講義を行いました。

 釧路公立大学で歴史の授業を担当している高嶋氏は、「日々の講義を行う中で気づいたことがある。それは日本が同じ歴史を繰り返しているということだ」と話し、日本の歴史を4つの時期に分けて説明しました。1つは目標とする他国に追いつくため必死に努力する発展期、2つ目は目標国に追いつき、大国になったと自覚する到達期、3つ目は努力をやめ、孤立化していく衰退期、最後は他国に全く関心を持たず、民族主義・国家主義へと移行していく閉塞期です。

 高嶋氏は「草創期における日本の目標は中国だった。徹底的に中国の真似をし、中国と肩を並べたと意識し始めると国交を絶って孤立化した。幕末から明治初期にかけてはイギリスとドイツを目標にし、開国から国際連盟の常任理事国になるまでのわずか70年で急速な発展をとげた。しかしその後も外国との接触を絶ち、太平洋戦争での敗戦を経験した」と年表をもとに説明しました。さらに「日本は他国の真似と改良、そして物づくりの才能があり、自分たちが他国に比べて劣っていると感じた時に大きな力を発揮する。しかし一度上りつめると途端に努力を止め、外界から孤立してしまう。トップに立ったというのも実は思い込みで、日本は誇大妄想に囚われているのかもしれない」と語りました。


▲「閉塞期の日本を再び発展期にするのは、いつの時代も外国からの圧力だった」と語る高嶋氏

★次回は2月5日(金) 18:00から、場所はまなぼっとです。
======================================
<第4講(文学)>2月5日(金)まなぼっと601
【テーマ】「タテマエとホンネ」〜夏目漱石『坊っちゃん』を通して〜
【講 師】釧路工業高等専門学校 教授 小田島 本有 氏
【内 容】
 我々は社会に属している以上、必ずタテマエとホンネを使い分けており、それができる人を
「大人」と呼んでいる。『坊っちゃん』の主人公はどうだったのか、考察してみたい。
======================================

キーパーソンの思想と視点 根室支部新年交礼会


 根室支部(高岡一朗支部長・67社)は1月25日、新年交礼会を開催し、「キーパーソンの思想と視点」と題して桐光クリエイティブ代表取締役吉田聡子氏(札幌支部会員)が報告しました。講演で吉田氏は、父親である先代社長が病に倒れたため急遽業務を引き継いだ当時を振り返り「初めは自社に無いもの、足りないものばかりに目を向けていた。番組制作会社として道内の中小企業経営者を取材する仕事を通してそうしたマイナスの視点をプラスに転換する機会があった」と述べました。成長している企業の事例を全て自身の会社に置き換えて様々な試行錯誤を繰り返した吉田氏は「経営者だけでなく従業員も自社が取り組んできた過程を整理し、そのストーリーを伝える手段を持つことが大切だ。消費者は販売者の理念、思想をみて買い物をする。上手に意思を伝えることが重要だ。企業だけでなく今の北海道全体に言えることだが『伝える力』を養うことが必要だ。まだまだ道民が知らない北海道の良さがある」と述べました。

当日の来賓は以下のとおり
北海道根室支庁副支庁長:猪飼秀一氏、根室市役所水産経済部長:島野治人氏、根室商工会議所副会頭:山本連治郎氏、(社)北海道中小企業家同友会副代表理事:落合洋氏

▼吉田聡子氏

▼挨拶する落合副代表理事