▲幹部大学当日の資料と、哲学者デカルトの『省察』
2月3日、幹部大学第4講を開催し、釧路公立大学教授の高野敏行氏が「自分を見つめて」
をテーマに講義をしました。
高野氏は哲学の専門家です。「哲学が発祥したのは約2600年前。この世には、1人称
(私)、二人称(あなた)、3人称(世界)という3つの主語があるが、哲学者たちは”私”
とは何かを問い、他者との対話を通して私を発見できることに気付いた」と述べました。
続いて「人々は、中東から普及したキリスト教によって信仰に目覚め、“神”に認められたい
との思いから、“他者とは違う私”になろうとした。しかしその後、神から距離を置き、自分の
目で世界を見たいと考えた人々は“ほかならぬ、この私”に気づく。このように、社会制度の形
成と同時にあらゆる要素を持った“私”が作られた」と話しました。
最後に「グローバルな時代になり、将来への迷いや不安が増えている。これを克服するため
には他者との対話を繰り返し、時代に合わせて“私”を作り替えることが不可欠」と締めくく
りました。
高野氏は、4月から同大学の学長に就任予定です。