一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

返還に備えて世界遺産の拡張を 地域力発見講座第3講


 釧路支部は11月27日に地域力発見講座第3講を開催し、毎日新聞社報道部根室の本間浩昭氏が「近くて遠い北方四島」と題して講演しました。

 本間氏は「知床ではわずかしか見られない珍しい動物が北方四島には沢山いて、豊かな自然が残っていることがわかる。しかし近年ロシアは北方四島と千島列島の開発計画を進め、人口6000人の択捉島で約2500人の季節労働者が働いている。その背景にはプーチン前大統領が進めた安定化政策による潤沢な資金があり、9年間で約800億円の資金が投入される予定。貧しかった四島は今や特需に沸き、住民は定着しつつある。このままにしておくと貴重な自然環境が破壊される恐れがある」と述べました。

 さらに「知床が世界自然遺産に登録されたが、最終的には知床と北方四島、そしてその先にあるウルップ島までを一つにして登録し、陸は知床を、海は北方四島をまわるエコツアーを実現できれば日本とロシアの交流につながる。今は強硬に返還を求めて勝負をするよりも、将来の返還に備えて『世界自然遺産の拡張』を進めるべきだ。世論の喚起、両政府の話し合いなど課題はあるが、知恵を絞って解決の道筋を模索していこう」と強調しました。

【毎日新聞社報道部根室 記者 本間 浩昭氏】

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