釧路支部は11月19日に地域力発見講座の第2講を開催し、NPO法人トラストサルン釧路事務局長の杉沢拓男氏が講演しました。
杉沢氏はトラストサルン釧路が進めているナショナルトラスト活動について「ナショナルトラストとは市民が自主的に自然や景観、歴史的建造物を募金などによって取得、管理保全していく運動。発祥の地イギリスではナショナルトラスト法が制定され市民の活動が保障されているが、日本では法整備が進んでおらず、半官半民の組織が多いのが特徴だ」と述べました。
トラストサルンは主に釧路湿原周辺の山林の再生に取り組んでいます。「近くの山の森林が伐採されたことによって土砂が湿原に流れ込んで河口に堆積し、農地が冠水するなどの被害がでている。そこで本来ならゴミになってしまうような木材やチップ、麻袋を集めて斜面を補強する活動をしている。これらは土に返るので環境破壊の問題もない」と活動内容を説明しました。さらに「湿原周辺の森でドングリを集めて植林を行っているが、大きくて重いドングリだけ植えればいいというわけではない。植物にも遺伝子があり、様々な形のドングリを使用することであらゆる環境に対応できる森を作ることができる。現在では荒れてしまっている山を豊かな森林にしていきたい」と強調しました。
【NPO法人トラストサルン釧路 事務局長 杉沢 拓男氏】