一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

第2回釧根経営セミナーのご報告


 同友会三支部の合同例会として11月10日に第2回釧根経営セミナーを中標津町の寿宴で開催しました。中同協の赤石会長が「人が輝く経営をめざして〜中小企業振興基本条例を制定して豊な地域をつくろう〜」というテーマで報告しました。

                【全体風景】

       【同友会の自主・民主・連帯について語る赤石氏】

【報告要旨】

 私は北海道江別市の出身で、昭和37年29歳の時に同友会に入会しました。当時は労働運動が高揚していた時代で、多くの企業経営者が、自分の会社の労使の対立や相互不信を乗り越えるためには、どうすればよいか悩み続けてきました。我々の先輩達は大変な苦労を重ねて、血で血を洗うような争いではなく、話し合いをしながら、中小企業での近代的労使関係はどうすれば確立できるかを真剣に探求した結果、歴史的文章である「労使見解」が誕生しました。この労使見解には中小企業の経営者には社員の人生を全うさせる義務があると書かれています。

 経営者の責任として、どんなに経営環境が厳しくても会社を維持・発展させていく責任があること。そして経営者は社員の人生を預かっている。預かっているからにはその社員をまっとうにさせなければならないという責任がある。定年になったときに、その社員がどこに行っても生きていける力を着けさせる、そのような人間に育てるということが社長の責任だと書かれています。全ての人間は、なんらかの可能性を持って生まれてきている。その可能性を見つけだし、それを伸ばすことが社員が人間らしく生きるための重要なポイントになるはずです。

 ここで同友会の基本理念「自主・民主・連帯」の深い意味について考えてみたいと思います。

【資料 同友会の自主・民主・連帯の深い意味(ダウンロードしてご覧下さい)】
http://portal.doyu-kai.net/uploads/files/siryou.pdf

 同友会では自主(入会も退会も個人の意思決定による)、民主(ボスを作らない。全ての会員が主体者)、連帯(個人個人が尊重される団結)の精神で運営しておりますが、最終的には自主(人間らしく生きる)、民主(生きる)、連帯(くらしを守る)という深い意味の具体的実践の形を目指しています。自主民主連帯の深いところまで考えると「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる」ということを実現していかなくてはならない。そして更にそのためには地球環境を守らなくてはならない。有限資源の持続可能な経済を目指していかなくてはならないが、現在の経済政策はその方向を向いていない。

 現在、同友会では全国的に中小企業憲章の制定に向けて取り組んでいます。これは簡単にいいますと、田舎の人が経済的な理由により故郷を離れて大都市に逃げて行かなくてはならない状況を作らないために必要なのが中小企業憲章です。地域づくりとは暮らし作り・仕事づくりであり、皆さんの地域に暮らしが成り立つ状況を作るために必要なのがこの中小企業憲章なのです。

    【中同協の赤石会長を囲む、横地・今野・杉山の釧根三支部長】

【書籍のお知らせ】

 中同協の赤石会長が書いた『経営理念』を同友会釧根事務所にて販売しております。ご希望の方は、同友会釧根事務所(kushiro@hokkaido.doyu.jp)までご連絡下さいませ!!

「経営理念」

  「経営理念」〜人と大地が輝く世紀に(増補改訂版)

   序章「経営理念を深める」
   1章「『なんのために』を問いあい血肉化する」
   2章「『生きる』『くらしを守る』『人間らしく』」
   3章「経営理念を発信する」
   4章「パートナー形成の三つの同心円」
   附章「『地域』と『企業』を一体として」

   中同協会長赤石義博・著、中同協企画、発行・鉱脈社。
   四六判、219ページ。定価 1,200円。

人を生かす経営〜中小企業における労使関係の見解 ★人を生かす経営〜中小企業における労使関係の見解
“中同協「中小企業における労使関係の見解」、「労使見解」の今日的意義”

「本書から学ぶべきことは、経営者の経営姿勢の確立こそ社員との信頼関係を築く出発点、経営指針の成文化とその全社的実践の重要性、社員をもっとも信頼できるパートナーと考え、高い次元の経営をめざし共に育ちあう教育(共育)的人間関係をうちたてること」(まえがきより)

 

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