一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

福島・岩手を視察し、厳しい現実と復興の躍動に触れる


▼今なお、巨大な船が街の中に(宮城県気仙沼市)

▼陸前高田市のショッピングスーパー「MAIYA」。屋上付近まで波が押し寄せました

▼大船渡市では、現地会員が同行し、被災状況を説明しました

▼岩手県同友会気仙支部との交流会。「この視察を次につなげたい」と語る石橋団長。

▼ この度発刊された『東日本大震災 中小企業家の絆』

3月8日〜9日、福島県で「第42回中小企業問題全国交流会in福島」が開催され、釧根3支部からは10名が参加。交流会終了後、釧根オリジナル企画として被災地の視察研修を実施し、福島県と岩手県を回りました。

 

 最初に、福島原発から僅か36kmしか離れていない二本松市の酪農家の遠藤さんを訪ねました。ここは放射能数値が高いために、牧草を自家栽培できない状態が続いています。遠藤氏は「牛を家族だと思って酪農をしてきたので、今さら手放すなんて考えたくないが、このまま続けるべきかを悩み続けている」と厳しい現実と苦悩を伝えました。

 

また、陸前高田市、大船渡市、釜石市を視察。各地域では現地会員がガイドとして同行し、「津波が何回も押し寄せて街を破壊した。すぐ高台に逃げた人は助かったが、引き返した人の多くが犠牲になった」と当時のエピソードを紹介したり、「現在、復興特需を期待して土地購入の動きが加速し、場所によっては震災前の20倍にも高騰した場所もある」などの最新情報を語る場面もありました。

 

最終日の夜、気仙支部会員9名との懇親会を開催。現地の会員から「社屋も家も全て流されたが、隣町で新工場建設の目途が付き、ようやく再スタートを切れそうだ」という報告があったほか、これからの街づくりに向けては「生きる、働く、暮らすを実現できてこそ真の復興だ。行政の動きに期待したいがまだ不十分。他に頼らず、自らが積極的に行動したい」と話す方も。深夜まで企業や地域づくりをテーマに、活発な情報交換が行われました。

 被災地の実態を自分の目で確かめ、地元会員との懇談を行った今回の視察。最後に、団長を務めた石橋榮紀氏は「非常に貴重な経験となった。微力かもしれないが、自分たちに何ができるかを具体的に考えたい」と語り、この企画を締めくくりました。

 そしてこの度、被災地同友会や会員企業の挑戦をまとめた『東日本大震災 中小企業家の絆』という記録集が発刊されました(1冊1000円)。同友会事務所にもございますので、ご希望の方はお問い合わせ下さいませ
(事務局電話:0154−31−0923)。

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