(社)北海道中小企業家同友会は中小企業振興条例に基づいた中小企業振興策を進めていますが、同問題を研究している京都大学大学院経済学研究科教授の岡田知弘氏はこのほど釧根を訪れ、条例を活用した地域づくりについて12月2日に南しれとこ支部別海地区会、12月3日は釧路支部摩周地区会、12月4日は釧路支部で講演を行いました。
岡田氏はまず「釧路の経済は北海道経済・日本経済の基盤であり、地域経済の特徴を明確にした上で政策を打つべき」と述べ、1980年代からの日本経済の変化について一部の大企業を優遇させた施策により、地方の経済が困窮した経緯について言及しました。
その上で「昨今の景気は待っていればそのうち循環するものではない。地域経済の主体である中小企業や農業者NPOが行動するべきで、その指針として中小企業基本条例がある」と述べました。また、中小企業基本条例に加えて千葉県等では公契約条例が施行され中小企業振興策が講じられている事を挙げ、中小企業基本条例と公契約条例の二つがあれば中小企業を中心とした地域活性化は促進されると続けました。
最後に、地域内循環に触れ「大規模公共工事や企業誘致をしても利益は本社に移転するため、地方は潤わない。地域が豊かになるとは住民一人ひとりの生活が維持され向上する事。その為には地域の経済主体である中小企業や農業者NPOなどが毎年、地域に再投資を繰り返す事で仕事と所得が生まれ、生活が維持・拡大する」と述べ、地域の持続的発展のカギを握るのは中小企業であると結びました。
▼釧路支部での講演録はこちらからダウンロードできます
http://portal.doyu-kai.net/modules/mydownloads/visit.php?cid=5&lid=247
▼地域内再投資力の大切さを語る岡田氏
▼条例制定後の取組みについて学ぶ会員