一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

「坊ちゃん」を読み解く 釧路支部幹部大学


 釧路支部は2月5日に幹部大学第4講を開き、釧路工業高等専門学校の小田島教授が「タテマエとホンネ〜夏目漱石『坊ちゃん』を通して〜』と題して講義を行いました。

 小田島氏はまず著者である夏目漱石の経歴について触れ、「『坊ちゃん』は夏目漱石の教師時代の経験が反映されている。登場人物は漱石の同僚をモデルにしていると言われており、さらに登場人物の一人である赤シャツは漱石自身を投影したものと思われる」と名作が生まれた背景を語りました。

 その後、受講生が小説の一部を輪読し、物語を深く読み解いていきました。小田島氏は「主人公の呼び名である『坊ちゃん』には二つの意味がある。ひとつは世間知らずで未成熟な坊ちゃん、そしてもう一つは下女の清が主人公を呼ぶ時の坊ちゃんだ。主人公の語りはまさしくこの清への語りかけであり、『坊ちゃん』は田舎の学校で人のいやらしさを実感し、反対に『教育のない婆さん』に過ぎなかった清の美しさを再発見する物語と言える」と解説しました。

 
釧路工業高等専門学校 教授 小田島 本有氏

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