一般社団法人北海道中小企業家同友会釧根事務所

条例を柱に地域経済発展へ 全国総会プレ企画


 中同協第43回定時総会のプレ企画が4日に釧路市で開催され、「条例で地域がどう変わるのか」をテーマに勉強会が行われました。報告者は釧路公立大学学長の小磯修二氏、釧路市市長の蝦名大也氏、釧路市産業振興部次長の高木亨氏、同友会釧路支部幹事の福井克美氏の4名が務め、全国から集まった参加者が条例について理解を深めました。

 小磯氏は、地域経済研究の視点から「これからの企業活動は地域内循環と外貨獲得のバランスを取り、地域の企業同士が手を取り合うべきだ。また、生産者と消費者が互いを尊重し合い、共存しながら地域の発展を目指す、産消協働の考え方が条例には必要だ」と述べました。
 
 蝦名氏は「条例は産消協働の理念が柱になっている。域内循環と地域資源の活用を念頭において資源価値の再評価が必要だ。北海道は食料自給率が高く、独自の産業や文化も発達しており、新たな価値を見出せる可能性が高い。釧路市も面積の約7割を占める森林を活用した、基幹産業の育成に取り組んでいる」と市長として今後の展望を熱く語りました。

 高木氏は「釧路市の条例では、市民の位置付けを地域発展の担い手とし、誰もが発言できるように円卓会議を設けている。大企業の従業員も地域の消費者という立場は同じであり、ともに地域発展を担っていけるように条例を周知していきたい。多くの意見をどのように吸い上げ、まとめるかが今後の課題だ」と述べました。

 釧路支部政策委員長として条例制定運動を担ってきた福井氏は「条例制定には、地域住民の熱意がもっとも大切だ。一人ひとりが条例の目的や内容をきちんと理解し、多くの人の共感を得ることで、初めて条例が必要だと認識される。釧路市は条例制定後の具体的な動きとして、地域経済推進力研究事業や地域起業サロン事業に同友会と共同で取り組んでいる。釧根地区は北海道、日本の条例先進地として、今後も大きな役割を果たしていかなければならない」と条例制定前後の取り組みと今後の抱負を語りました。

 全国の同友会から集まった参加者からは「条例制定に向け、行政どのように関わってきたか」「大企業を巻き込んだ条例制定運動の良い事例はないか」「条例制定後にどのような変化があったのか」など、活発に質問が出され、条例に対する関心の高さを物語りました。
 

 最後に司会を務めた現釧路支部政策委員長の森川浩一氏が「条例は施行される事がゴールではない。施行後にどう活用していくかが大切。同友会として、全自治体の条例制定を目標に運動を盛り上げていきましょう」と締め括りました。報告者の高木氏、福井氏は翌日から行われた全国総会の第14分科会でも報告を行い、条例制定運動の重要性を全国の会員へと発信しました。

▼産消協働の理念を解説した小磯氏

▼今後の釧路市の展望を熱く語った蝦名氏

▼円卓会議の活用を促す高木氏

▼条例制定までの取り組みを語った福井氏

▼プレ企画釧路コース会場の様子

▼札幌で行われ、1,000名以上が参加した全国総会(7月5日:全体会議)

▼第14分科会グループ討論の様子(7月5日)

 

※中同協第43回定時総会の様子が各紙報道記事に掲載されました。
http://portal.doyu-kai.net/modules/news/article.php?storyid=1011

※高木氏が描いた「マンガで知ろう釧路市中小企業基本条例」が釧路市役所ホームページに掲載されています。
 こちらからご覧下さい。
http://www.city.kushiro.hokkaido.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1292806554487&SiteID=0

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