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アムール川の環境悪化は厚岸カキに影響を与える
〜厚岸地域大学で北大臨海実験所所長が講演〜
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釧路支部厚岸地区会(中村一明会長44社)は1月19日に厚岸地域大学第4講を開催し、北海道大学厚岸臨海実験所所長の向井宏さんが厚岸の水産について講演しました。向井所長は、「厚岸は外海、湾、湖、川が一箇所に集積している全国的にも珍しい自然条件に恵まれている。カキはアマモに付着する藻類を餌にしているが、アマモは厚岸湖に豊富に繁茂している。しかし、カキ糞の堆積が将来的な問題になる」と指摘しました。
さらに、アムール川流域の森林火災と耕地の拡大がオホーツク海に押し寄せる流氷に与える影響について言及しました。「流氷は植物プランクトンを運ぶと言われているが誤りだ。流氷の形成によって海に中層流が発生して栄養塩や鉄分が運ばれる。これがオホーツクの海を豊かにしている源だ。しかし、アムール川流域では森林火災や耕作地拡大、都市化が進行している。有害物質の流出、栄養塩の減少、保水力の低下などが懸念されている」と指摘し、オホーツク海ばかりではなく、中層流の恩恵を受ける厚岸の漁業にも遠からず悪い影響を及ぼすと警鐘を鳴らしていました。
次回の厚岸地域大学は2月16日に厚岸漁協の川崎組合長が講演します。