釧路支部は8月28日に経営指針成文化セミナー(第6講)を開催し、(株)クリエイトスハニーの五十嵐社長さんが「経営理念はなぜ必要か」というテーマで報告しました。
21世紀に入って、中小企業をめぐる状況は一段と厳しくなっています。産業の空洞化が進み、地域経済が危機にさらされ、中小企業のよって立つ基盤が大きく崩壊しつつあります。これに長期不況が追い討ちをかけ、市場の成熟化が進み、量より質へ、本物志向となる一方、IT化の進展も本格化しています。
これらの動きのいずれをとっても従来の経営のやり方では対応できません。今こそ環境変化を的確にとらえ、社員の誰もが納得し、安心してついていけるような自社の今後の進むべき方向を的確な方針として示すことが、今、経営者に求められています。
同友会では「すべての会員企業が経営指針の確立と実践で黒字企業をめざそう」と提起しています。どんな経営環境下にあっても企業の進むべき方向を明確にし、全社一丸の体制で臨まなければ企業展望を切りひらくことはできないからです。同友会の経営指針づくりが目指すものは、一言で言えば自立型企業とそれを支える自主的社員を育成することです。経営指針の確立とそれを社員とともに実践していくことで会社が変わっていく事例は全国の同友会の中で数多く報告されています。
【経営理念の大切さについて語る五十嵐氏】
【五十嵐氏の報告要旨】
環境の変化とともに、金融機関も従来の担保だけの評価から、経営者の経営に対する考え方や今後の自社の方向・戦略について語れるかどうかを見てくるようになりました。自社でも、会社の経営指針を作成するとともに自己指針(将来、自分はどのような人物になりたいか)の作成に2002年度から取り組んでいます。自社の経営理念があることで、社内の色々な場面で「あなたの今の行動は理念に合っているかい?」と問うと、はっと社員は考えるようになりました。そして、経営指針を作成あるいは見直しする際には『中小企業における労使関係の見解(略称:労使見解)』を併読、学習することが大切です。この『労使見解』は、企業経営の要諦は労使の信頼関係にあることを指摘しています。経営指針は、労使双方が高い次元での団結をめざすものであり、そのためには『労使見解』で学ぶことが必要不可欠なのです。
【書籍のご紹介】
★21世紀型企業づくりの決めて 〜経営指針作成の手引き | |
目次 第1章 同友会らしい「経営指針」の確立、成文化の進め方 第2章 経営理念 第3章 経営方針 第4章 経営計画の策定 第5章 経営計画の実践とフォロー 終章 これからの中小企業 頒価400円 A5版・64ページ |
★上記の書籍は同友会事務局で販売しております。ご希望の方は事務局(Tel:31−0923)までご連絡下さい。
★第4回経営指針成文化セミナーの案内は後日お送りします。