釧路支部(亀岡孝支部長・465社)は5月19日に5月例会を開催し「釧路バルク港は釧根に何をもたらすのか」と題して釧路食料基地構想協議会の伊関義和氏、浜中町農業協同組合の石橋榮紀氏(釧路支部副支部長)、釧路公立大学准教授の下山朗氏が報告しました。
最初に報告した伊関氏は釧路港の現状と課題に触れ「釧路港は東北海道の産業の基盤として、基幹産業を支える役割を担ってきた。港は地域の財産だ。その財産を生かして、後世に活性化された釧路港を残せるかは我々次第だ」と述べました。
続いて報告した石橋氏は「釧路港がバルク港になると、家畜飼料を多く積み込んだ大型船の来航が可能になり、これまでより安く家畜飼料を供給ができる。安く飼料を供給できれば、釧根に養豚業者を呼び込むことが可能になる。それが新産業創出につながるはずだ」と語りました。
最後に報告した下山氏は「道東地域では畜産や農産などの生産性を高めることが重要だ。そのために道路整備などのネットワークの強化が大切だ。また、バルク港誘致が目的ではなく、どう機能するかを今のうちから慎重に検討すべきだ」と述べました。
<解説>
※バルク港〜バラ積み貨物(バルク)を取り扱う港湾のこと。国土交通省はバルク港を設置するため「国際バルク戦略港湾」の導入を打ち出しました。戦略港湾については穀物、鉄鉱石、石炭が対象になっていますが、釧路市は穀物(とうもろこし)で名乗りを上げます。釧路港がバルク港に認定され、穀物の貨物が荷揚げされると輸送による大規模な経済効果ができます。
★釧路港の現状を語る伊関氏
★バルク港と農業の関わりを話す石橋氏
★経済学の観点から報告する下山氏