釧路支部幹部大学同窓会は2月23日に例会を開き、NHK釧路放送局記者の木皮透庸氏が「報道記者から見た釧路」と題して講演しました。
木皮氏は茨城県生まれ。進学や就職で東北・東京での生活を経験し、5年前に釧路に移住しました。NHK釧路放送局では放送部記者を務め、道東の最新情勢の取材に奔走しています。
例会は木皮氏が実際に取材したニュースの録画を見ながら進められました。まず今年1月の地元スーパーの倒産に触れ「多くの地元スーパーが閉店を余儀なくされている。お年寄りの多い地区はもちろんだが、地元スーパーの閉店は地元の卸売業者にも大きな打撃を与えている。結果、釧路から卸売業者が撤退し、出張需要に応えるため北大通りにビジネスホテルが増加している」と現状を説明しました。
また標津町で行われている健康ツアーのビデオを鑑賞し「標津町民の日常をそのままツアーの目玉としており、健康ツアー客や修学旅行生の取り込みに成功している。ないものねだりをするより、地域にあるものを探していくことが重要」とした上で、「これまでの釧路は漁業・炭鉱業・製紙業の3大基幹産業に支えられ、非常に恵まれていた。それらの産業が衰退した今、私たちの町釧路には何があるのか、立ち返って考えてみるべきだ」と強調しました。
最後に木皮氏は「釧路には自然・文化・食などのイメージがあるが、それらを価値あるものにするために一番に取り組むべきは人材の育成だ。学校での教育を見直し、幼い内から地域のことをもっと学んでいくべきでは」と、釧路の可能性について語りました。
▲NHK釧路放送局 放送部記者 木皮 透庸氏