北海道中小企業家同友会・産学官連携委員会は10月16日、同友会釧路支部と合同で「新規就農あいつぐ酪農郷の現場」をテーマに浜中町移動委員会を開催し、浜中町農業協同組合とタカナシ乳業を訪ねました。
▼挨拶する土屋産官学連携委員会委員長
浜中町農協では石橋組合長、高橋参事から「浜中町での酪農の歴史は50年余り。30年前までの浜中町産生乳は決して高品質ではなかった。タカナシ乳業が昭和57年に参入してから『感覚での酪農』から『分析に基づいた酪農』へと変化した。品質と安全性を追求した酪農を目指し、チェック構造の確立や、酪農ヘルパーの採用などにも力を入れている」と報告がありました。
浜中町農協では新規就農者の育成にも力を注いでおり、「直接面談して納得いくまで時間をかけて吟味する。憧れと実情のギャップも十分に説明して、これはと思った人物を迎える」と石橋組合長。現在まで26戸の新規就農世帯が誕生しています。
酪農技術センターでは各農家から集めたサンプルの分析の様子やトレーサビリティ(個体識別番号などの情報提供)の先進的な技術を見学しました。
▼浜中町農協が取り組む酪農を紹介する石橋組合長
▼検査の様子を見学する参加者
続いて100%浜中町産の生乳を使って「ハーゲンダッツ」などの人気アイスクリームを製造するタカナシ乳業の北海道工場を訪問。原料加工の工程の説明の後、工場内を見学し、一般に流通していない無塩バターなどを試食しました。
▼タカナシ乳業北海道工場内部を見学する参加者
昼食を交えての石橋組合長との懇談では人材育成や土壌、牧草などにも質問があり、地域に根を下ろした農商工連携の一端に触れた移動委員会となりました。