釧路支部(亀岡孝支部長)は25日に3月例会を開き、「会社を潰さないために手を打つべきこと」と題して長江建材の長江社長と春の湯の成澤社長が講演しました。かつてないスピードで企業倒産が相次ぐ中、中小企業が生き残るために必要な策について学びを深めました。
コンクリート製造業者として事業をスタートし、現在は道東屈指の建築資材卸売業を展開する長江社長は、「父が事業を始めた当初はコンクリート需要も豊富だった。しかし将来的には非常に不安要素が多く、建築資材卸売業をはじめたことが長江建材の始まりだった」と振り返りました。その後同社は同業者に先駆けて展示会を開催するなど、常に業界をリードし事業を拡大してきました。「以前は経営者ががんばれば商売になった。しかし、今は様々なことにチャレンジするためにも、若い社員を育てて前進しなければ企業の存続はありえない」と強調し、様々な挑戦が企業を存続させるカギになると述べました。
また、市内で銭湯『春の湯』を2店舗経営する成澤氏は、現在業界が置かれている状況に触れ、「規制緩和が進み、業界を取り巻く環境は更に厳しさを増している。このままいくと地域経済は成り立たなくなってしまう」と述べました。さらに同氏は「企業を経営していく上で、前年より売上を伸ばすことは確かにいいことだ。しかし、そればかりが企業経営ではない。中小企業にとって激動は当たり前のこと。我々は経営者である前に一人の人間だ。人間が幸せに生きるために必要なものは何かを常に自問したい」と述べ、企業が存在する意義を経営者だけではなく社員も含めて考え続けなければならないと強調しました。
▼長江建材 長江氏
▼春の湯 成澤氏