北海道同友会釧路支部は2008年度総会を17日に開き、活動方針案と予算案を採択し新しい役員を選出しました。5年間にわたって支部長を務めた横地敏光氏が退任し、新支部長には綜合設備代表取締役の亀岡孝氏が就任。活動方針には、釧路市中小企業振興基本条例の制定運動の強化、9月に開く同友会祭り(三丁目の夕日祭り)を成功させることなどが盛込まれました。
支部長として最後の挨拶に立った横地氏は、「ここなら息子や娘を預けたいと市民に評価されるような企業が増えると地域に人材が残る。会員企業は同友会三つの目的の体現者となろう」と呼びかけました。新支部長の亀岡孝氏は、「困難な経済情勢の中で支部長に就任することは重責だ。役員と力を合わせて同友会運動に力を注ぎたい」と語りました。
記念講演は釧路市港湾空港部部長の繁本護氏が、地域経済を支える釧路港の役割について論及しました。 会場の会員からは、「持続可能な地域経済をつくるために中小企業振興基本条例制定運動を同友会は進めている。同友会の理念に沿う問題提起だ。第一次産業重視の経済政策は市や商工会議所とともに進める産業振興会議で取り組むべき課題だ」と感想が出されました。要旨は次です
<講演要旨>
小さな政府、市場原理主義の現体制において、逼迫する地元経済は縮小する公共事業では救えない。釧路には120周年を迎える釧路港というゲートウェイがある。そして釧路港の背景にある道東四庁(釧路・網走・根室・北見)は日本の食料の生産基地といっても過言ではない。日本の食料自給率39%のうち80%をこの地域が占めている事実を見逃してはならない。釧路の地域経済が従来の公共事業依存や、炭鉱・水産・製紙などの主要産業で維持発展が出来ないのであれば、この食料という部分に着目して新たな産業を創出すべきではないか。
現状では釧路港の利用率が低い理由は、クレーンなどの設備の問題で繋留時間時間が長引き、製品輸入量が少ないため片道が空荷になるなどの問題点があるためだ。現状では工場に近い苫小牧港の利用が圧倒的に多い。食料に関しては生乳も農水産物も原料を鮮度の良いまま送ることを至上命題としている。
これらを解決するには、港湾設備の充実と港湾付近への産業の集約化である。特に経済効果が期待できるのは食品加工だ。原材料を送るだけではなく、自前で加工し製品化して送る事や貯蔵により出荷時期を調整することで雇用を含めて高い経済効果が期待できる。
▼5年間支部長を務めた横地氏
▼新支部長に選出された亀岡孝氏
▼三神北海道同友会代表理事
▼総会議長の近藤氏
▼活動方針を提案する石森幹事長
▼講演する繁本釧路市港湾空港部長
▼新執行部
▼上原釧路市副市長
▼村井商工会議所副会頭
▼ノイズ倶楽部